今週、当ブログでは、現役英語教師の先生方、および英語教師になりたいという方からお寄せ頂いたご質問への回答を載せております。
Q:英語教師を目指しています(20代会社員[女性])。語学留学の経験もあり、英会話はそこそこできます。ただ、感覚で身に着けている部分が多く、将来、英語教師になった時、授業で文法をきちんと教えられるか不安です。どうすればいいですか?
A:まず、語学留学のご経験があり、英会話ができる。これは、英語教師になる上で、一つの大きなアドバンテージになります。
ただ、先生もおっしゃるように、英会話は、感覚だけでもどうにかなってしまう面があることは確かです。
英会話では、意思疎通が優先される分、文法が必ずしも完全でなくても、それで通ってしまうことがあります。
ただ、いざ英語を教える立場になると、話は別です。授業では「正しいこと」を教える。英語教師には、どうしてもこれが求められます。
昨今、日本の英語教育は「分業制」が進んでおり、英会話はネイティブ講師が、文法読解などは日本人英語講師が、それぞれ務めることになっています。
それだけに、日本人英語教師は、やはり文法を教えられないと仕事になりません。で、どうすればいいのか。
至極当然のことではありますが、やはり勉強するしかありません。英文法をしっかりと学び直すのです。
幸いなことに、英文法の参考書は、多く市販されています。学生向けのものから、プロ向けのものまで、多岐に渡ります。
まずは、学生向けのもの(『Evergreen』など)を使って、一通り見てみる。その上で、プロ向けのもの(『ロイヤル英文法』など)も見るようにする。
また、参考書に付随して、問題集が付いているものもあります。それを買って、問題を解いてみられるといいでしょう。
そうすると、どの項目の知識が固まっていないかがわかります。それにより、どこを重点的に学び直すべきかがクリアになるため、学習効率がアップします。
英文法の参考書を使う時は、例文をしっかりと見るようにしましょう。そうすることで、ターゲットとする文法項目が、どういった場面で、どのように使われるかがわかります。
加えて、教える立場になった時のことを考えて、参考書に載っている説明にも、しっかりと目を通すようにしましょう。
もちろん、参考書に載っている説明の文言を一言一句丸暗記する必要はありません。むしろ、その内容を理解し、自分なりに咀嚼することが重要です。
そして、自分の言葉で人に説明できるようにする。そうすることで「わかりやすい説明」ができるようになります。
これらは、先生が今、できることです。ですので、実践して頂く。但し、これで英文法の知識が完璧になる訳ではないでしょう。私も未だに完璧ではありません。
あとは、Learn while teaching(教えながら学ぶ)。あるいは、Learn by teaching(教えることによって学ぶ)。
英語教師になり、実際に英文法を教える機会を得れば、自ずと、より深く学ぶようにもなります。勉強に終わりはありませんので、教えながら学べばいいのです。
「英語教師を目指したいけど、まずは英文法の知識を完璧にしてからでないと!」などと思う必要はありません。
今、できることをやりつつ、英語教師への道を模索する。そして、実際に教え始めてからも学びを継続する。この線で行って頂ければと思います。
(以上)
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