英語教師Q&A③(英文読解の指導法)


 今週、当ブログでは、現役英語教師の先生方、および英語教師になりたいという方からお寄せ頂いたご質問への回答を載せております。今日のテーマは「英文読解の指導法」です。

Q: 生徒に英語の長文を読ませるのですが、知らない単語が多すぎて、内容をとれないことがよくあります。「わからない単語は文脈から推測して読みなさい」と言うのですが、うまくできない子が多いです。難しい単語は先に教えた方がいいのでしょうか?(高校英語教師)

A: 生徒の語彙力と長文のレベルが合っていないと、授業が進めにくいですよね。未知語の意味を文脈から類推しようにも、その数が多すぎると、うまく類推できませんしね。

 かと言って、授業中に辞書を引かせるとなると、時間のロスにもなりますし、扱いが難しいところです。

 やはり、先生のおっしゃるように、「難度が比較的高い単語は、先にその意味を教えておく」というのは一策です。

 できれば、授業中にそれを教えるのではなく、予習させたいところです。単語リストを事前に渡しておいて、それを覚えてきてもらう。

 もし、予習させるのが難しいようでしたら、授業冒頭に教えてもいいですし、単語リストを渡してしまってもいいと思います。

 あるいは、こういった方法もあります。難しめのarticle(①)は、完全に予習ベースとし、授業中に読むのは、少し易しめのarticle(②)にする。

 ①は、生徒自身が未知語を辞書で調べるなどしながら、読み進めます。授業では、そのarticleについての訳や内容を確認し、且つ文法や語彙、語法の解説を行います。

 そして、残りの時間で、②を行います。②は、その場で、即興で読ませるものですので、少し易しめのものを用意します。これら2つの読解。それぞれ目的が異なります。

 ①は、主に「精読」が目的です。難度の高い文を深く読み込むためのものです。これにより、読解力が強化されるだけでなく、語彙力、文法力も磨かれ、語法の知識も高まります。

 一方、②は、主に「速読」が目的です。articleをサッと読んで、概要(本文の主旨)をつかむ訓練をします。これにより、内容把握に強くなり、情報処理能力が鍛えられます。

 ひとくちに「英文読解」と申しましても、その方法は様々です。目的に合わせて、その方法を変える。また、articleの難度を調節する。

 こうして、目先を変えることで、生徒の「飽き」を防止することもできます。もし、状況が許せば、ぜひお試し頂きたいと思います。

 いずれにせよ、難度の高いarticleを無理やり読ませて、未知語を類推させるという方法は、得策ではありません。

 効果が薄いだけでなく、生徒を「英語嫌い」にさせてしまう恐れがあります。この点は、十分、配慮する必要があります。

(以上)

 如何でしたか?授業での「英文読解」の進め方に苦慮している先生方、少なからずおられるかと思います。

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