英語教師には悩みが尽きません。実際、私の「英語教師養成コース(Teacher training)」の受講生(現役英語教師の先生方および英語教員志望の方々)から、様々なご相談を頂きます。
今週、当ブログでは、過去に頂いたご相談内容をご案内いたします。恐らく、多くの英語教師にとって共通する悩みでもあろうかと思いますので、お読み頂ければと思います。
Q: 授業でよくリスニングを行うのですが、私自身、リスニングがそれほど得意ではありません。TOEICでもリスニングのスコアはそれほど高くはないですし、ドラマやニュースを見ていても、聞き取れないことが多いです。ですので、生徒から「どうすればリスニングを伸ばせるか?」と聞かれても、適切なアドバイスができません。どうすればいいですか?
A: まず、生徒のリスニング力がどれ位かにもよります。例えば、TOEICで既に900点を持っていて、満点を狙っているという生徒からの質問であれば、教師にも相応に高い英語力がなければ、アドバイスは難しいかもしれません。
そういった状況でなければ、何等かのアドバイスはできるのではないでしょうか。
先生自身、リスニングがあまり得意ではないとのことですが、それでも今までにリスニング力を鍛えるための何等かの対策や練習はなさって経験がお有りではないでしょうか。
そうした経験があるのであれば、その経験を元に、何等か話はできるでしょう。それが理論上、正しいかどうかは別にして。
例えば、過去に英検をお受けになった経験がお有りで、リスニングパートで点数を挙げるために、たくさん問題を解いた、とか。
つまり、これは「量」の重要性を訴えていることになります。ですので、それを聞いた生徒は、「あぁ、やっぱりたくさん聞かないとダメなんだな」と思うでしょう。
これも、立派なアドバイスの一つです。実際、リスニング力を伸ばすには、量を多く聞くことは不可欠です。
この他、「ドラマやニュースを見ても、聞き取れないことが多い」とのことですが、つまり、先生は、英語のドラマやニュースをご覧になっているということですよね。
そうであれば、「前に〇〇っていうドラマをよく見ていたよ」などと、生徒に話すこともできます。
その際、聞き取りに苦労されたのであれば、「出演者の発話速度が速くて、聞き取れないことも多かったけどね」などと、率直にお話しされるといいと思います。
さらに「あんまりわからない時は、字幕付きで見たりもしたよ」とか。そういった「学習者目線」でのエピソードがあれば、それを話す。
必ずしも「アドバイス」という形でなくてもいいと思うのです。ですので、「どうすればいいですか?」と聞かれて、必ずしも「こうしなさい」じゃなくてもいい。
「こうしなさい」というのは、「アドバイス」というよりもむしろ「指示」ですよね。それは、もしかすると、生徒が求めていることではないのかもしれません。
「どうすればいいですか?」という質問は、広義に解釈することができます。もちろん、具体的に何をすべきかを聞きたがっているケースもあります。
その一方で、「なかなかリスニングが伸びなくて困ってるんですよ~」と、ちょっとした愚痴を先生に聞いてもらいたいだけ、ということもあります。
これは、その時の状況や、生徒の様子、あるいは性格にもよります。この辺りの判断は難しいですが。
いずれにせよ、必ずしも具体的かつ的確に練習内容を答えなくてはならない訳ではない、ということです。
むしろ、先生が持っている材料の中から、少しでも役に立つと思われる情報を生徒に提供する。それで十分だと思います。
もちろん、我々英語教師も、日々、英語力に磨きをかけるための努力は続けていかねばなりません。
ですので、「リスニングがあまり得意でない」と感じていらっしゃるのであれば、リスニング力を鍛える必要はありましょう。
そうして、自分が努力することによって、引き出しが増えます。そうすると、将来、別の生徒から似たような相談を受けた際、提供できる材料が増えていきます。
かく云う私も、まだまだです。ですので、努力を続けていかねばなりません。私も頑張りますので、先生も頑張って下さい。
(以上)
「オンライン英語教室のUB English」の「英語教師養成コース(Teacher training)」では、英語教師が抱える様々な悩みをTeacher trainerにマンツーマンでご相談頂けます。
英語の教え方や授業の進め方など、悩みをお持ちの英語教師の先生方、および英語教員志望の方々、まずはお気軽にお問合せください。
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