今週、当ブログでは、日本人英語教師が授業中、英文法を教える際、気の利いた例文をパッと出せるようにするためのtipをご案内しております。
今日取り上げる文法項目は「過去進行形」です。さて、「過去進行形」と聞いて、先生はどんな例文が頭に浮かびますか?状況設定と併せてお考え下さい。
以下に例を挙げます。
(状況設定)
クラスメート2人の朝の会話。前夜、AがBに電話をしたが、Bが電話に出なかったので、どうしていたのかを尋ねようと話しかけたところ。
(例文)
A: I called you at nine o’clock last night, but you didn’t answer it.
B: I was taking a shower at that time. Sorry about that.
(訳文)
A: 昨夜9時に電話したけど、出なかったね。
B: その時、シャワーを浴びてたんだ。ごめんね。
「過去進行形」のポイントは2つです。
①「was/were + Ving」という「型」を用いる
②過去の具体的な時を表す語句と共に用いる
ですので、この2点を意識して、例文に組み込む必要があります。
そこで、上記の例文では、Aにat nine o’clock last night「昨夜9時」、Bにwas taking a shower「シャワーを浴びていた」という2つのポイントを入れています。
英文法の参考書などを見ていますと、I was taking a shower at nine o’clock last night. という文だけを載せていることが多いです。
確かに、これは立派な「過去進行形」の文です。しかし、この一文だけだと、文脈がないので、読者は、この文を用いる場面をイメージすることができません。
そこで、先程挙げたような会話文にする。そうすると、「過去進行形」を使用する場面とその意味が、より明確になるはずです。
例文を出す目的は、単にターゲットとする文法項目の「型」を教え込むことではありません。
それに加えて、生徒がそれを実際に使用する場面を明確にイメージする、その手助けをすることです。
これができれば、生徒から「先生の授業、わかりやすい!」と思ってもらえるでしょう。これには、相応のトレーニングが必要です。
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