英語教師のための「例文出し」トレーニング③(時制の一致)


 今週、当ブログでは、日本人英語教師が授業で英文法を教える際、例文を出すことが重要であると訴えています。

 なぜなら、定義の説明だけだと、ターゲットとする文法項目を、実際にどう使うのかがイメージしにくいからです。

 そこで、一昨日は「所有格の関係代名詞(whose)」を、昨日は「過去完了形」を、それぞれ取り上げ、状況設定と例文の出し方を説明しました。

 そして、今日は取り上げる文法項目は「時制の一致」です。さぁ、先生はどんな例文を出しますか?状況設定と併せてお考え下さい。

 では、以下に例を挙げます。

(状況設定)

AとBがパーティ会場で友人のJohnを待っているところ。パーティの開始時刻になってもJohnが来ないので不安になり、AがBにJohnの予定を確認している。

(例文)

A: John is late. Is he really coming tonight?

B: When I saw him this morning, he said he would.

(訳文)

A: Johnが遅れているね。今日、ホントに来るのかな?

B: 今朝、彼に会った時は、来るって言ってたけど。

 「時制の一致」をピンポイントで教えるとすれば、Bの例文を出すだけで、それを示すことができます。

 ただ、Bの一文だけだと、状況をつかみにくいですよね。状況がイメージできないと、生徒は丸暗記するしかありません。

 そうすると、知識を生かす(実際の場面で使う)ことには、つながりにくいのです。だからこそ、状況設定を明確にした上で、例文を出すことが重要です。

 なお、he said he wouldは「間接話法」ですが、これを「直接話法」に直すとどうなるでしょうか。答えは以下の通りです。

「間接話法」he said he would

「直接話法」he said, “I will come(go).”

 この2つの文を見せると、「時制の一致」の理屈がわかりやすくなります。

 発言時は未来の話なのでwillを使っていた。しかし、今はもう、その発言は過去のことなので、主節の動詞を過去(said)にする。よって、willも過去形のwouldにする。

 こう説明すると、なぜwouldなのかが、わかりやすいはずです。

 如何でしたか?「時制の一致」の説明をわかりやすくするための状況設定と例文、すぐに出せましたか?

 こうした状況設定と例文を授業中、すぐに出せるようにする。これには、相応のトレーニングが必要です。

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