海外旅行に行った時、ただ有名な観光地を回るだけでなく、できれば現地の人と、ちょっとでも会話できる機会があるといいですよね?
そうは言っても、「会話のきっかけ作り」が難しいのも事実です。いきなり声をかけても、怪しまれるかもしれませんしね。
つまり、「会話のきっかけ作り」で大事なのは、「タイミングと声のかけ方」ということになろうかと思います。
では、具体的に、どんな風に「会話のきっかけ作り」をすればいいのか。本項では、会話の具体例を挙げながら、ご紹介したいと思います。
ところで、私はかつて、アメリカ・ワシントン州のシアトルというところに、3年ほど住んでいました。
シアトルと言えば、日本では、イチロー氏がかつて在籍したマリナーズが有名ですが、それだけではありません。自然に恵まれた土地で、森林や湖が多いところなんです。
例えば、シアトル中心部から少し足を延ばした郊外に、Lake Washington(ワシントン湖)があります。
湖の畔には、木製のベンチが置いてあって、休憩したり、読書をしたりと、のんびり過ごすことができます。
そこは、主に地元の人たちが多く、のどかな雰囲気の中、皆、リラックスしています。そういった意味で、話しかけやすい状況と言えます。
もし、自分が座っている同じベンチ(長椅子)に腰掛ける人がいれば、話しかける絶好のチャンスです。では、そうなった時、どうやって「会話のきっかけ作り」をするか。
例えば、こんな風に切り出すのはどうでしょうか。
It’s a beautiful day, isn’t it?
この文の意味は、「今日は良いお天気ですよね?」です。夏(6~9月)のシアトルは、実際、良いお天気の日が多く、気温も20度前後で、非常に過ごしやすいのです。
この「It’s a beautiful day, isn’t it?」は、あまりの心地よさに、思わず口をついて出て来る言葉です。ですので、わざとらしい感じがしません。
実際、青空の下、心地の良い日に、このように話しかけられて、気分を害する人はいないはずです。
ですので、相手はこんな風に返してくれることでしょう。
It sure is.
この文の意味は、「ホント、そうですよね」です。これだけでも、相手と「心地よさ」を共有できたことになります。
これで、ひとまず「会話のきっかけ作り」ができました。では、ここからどうやって会話を広げていくか。
こんなのはどうでしょうか?
Is the weather here always like this?
この文の意味は、「ここのお天気は、いつもこんな感じなのですか?」です。せっかく、お天気の話題で「会話のきっかけ作り」ができたので、お天気の話題を続けます。
この質問は、最初の付加疑問文(isn’t it?「~ですよね?」)とは違い、色んな応答パターンがあります。
例えば、こんな感じです。
Not really. It rained almost every day last week.
この文の意味は、「いや、必ずしもそうではありません。先週は、ほぼ毎日雨でしたよ」です。
シアトルの夏は、好天の日が多いとはいえ、雨降りの日がない訳ではありません。ですから、こういった意外な回答が聞かれる可能性もあります。
せっかく、こうして具体的な回答が得られた訳ですから、ここで話を終わらせるのは、もったいない。もうちょっと続けましょう。
では、どんな風に返すか。次の文はどうでしょうか?
Really? Then, I’m lucky.
これは、「ホントですか?じゃあ、私はラッキーですね」です。意外な答えが聞かれたので、Really?「ホントですか?」で返す。自然な返答ではないでしょうか。
加えて、lucky「ラッキー」という肯定的な意味を持つ語を使うことで、話を続けやすくします。
初めて会話をする相手とは、このように、なるべくポジティブな表現を使いたいものです。その方が、会話が弾みやすくなります。
ここまでの会話で、相手はこちらが「よそ者」であることを把握できています。そこで、今度は相手がこちらに質問してくる可能性もあります。
例えば、こんな風に。
When did you come here?
これは、「いつ、こちらへ来られたのですか?」という意味の質問です。相手が地の人ではなく、観光客だとわかれば、このように聞くのは自然ですよね。
アメリカは「移民の国」なので、こちらがアジア人だというだけでは、地元の人なのか、外国人観光客なのか、区別がつきません。
ですので、顔がアジア系だからというだけで、この質問(When did you come here?)をすることは、まずありません。
ただ、先にも述べたように、会話の中で、「Is the weather here always like this?」という質問や、「Really? Then, I’m lucky.」という表現があるので、「よそ者」だとわかります。
だから、ここでこの質問(When did you come here?)をすることは、不自然ではありません。
では、この質問に対して、どうやって答えるか。例えば、こんな具合です。
Yesterday. I’m going to stay here until Friday.
この文の意味は、「昨日です。金曜日までここに滞在する予定です」です。当たり前のことですが、まず、質問に対して答えます。
ただ、それだけで終わらせるのではなく、「金曜日までここに滞在する予定です」と、追加情報を与えることで、相手との会話への積極的な姿勢を示せます。
このように言うと、相手は、こう返してくるでしょう。
I see. Enjoy your stay.
これは、「そうですか。(ここでの)滞在を楽しんで下さいね」という意味です。シンプルですが、感じの良い応答ですよね?
では、ここまでの会話を以下にまとめます。
A: It’s a beautiful day, isn’t it?
(今日は良いお天気ですよね?)
B: It sure is.
(ホント、そうですよね)
A: Is the weather here always like this?
(ここのお天気は、いつもこんな感じなのですか?)
B: Not really. It rained almost every day last week.
(いや、必ずしもそうではありません。先週は、ほぼ毎日雨でしたよ)
A: Really? Then, I’m lucky.
(ホントですか?じゃあ、私はラッキーですね)
B: When did you come here?
(いつ、こちらへ来られたのですか?)
A: Yesterday. I’m going to stay here until Friday.
(昨日です。金曜日までここに滞在する予定です)
B: I see. Enjoy your stay.
(そうですか。(ここでの)滞在を楽しんで下さいね)
如何でしたか?海外旅行に行った時、現地の人との「会話のきっかけ作り」のコツ、少しはつかんで頂けましたか?
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