「上から目線」の英語を避けるには(2)


 ビジネスを発展させるには、既存客のCS(顧客満足度)の維持、向上に加えて、新規客を獲得し、自社が提供する商品やサービスをより幅広く利用してもらうことが重要です。新規客を開拓するには、自社が扱う商品やサービスを相手に知ってもらう必要があります。その際、「(わが社の商品やサービスを使えば)「こんなことができますよ」とか「こんな悩みを解消できますよ」といった「提案」をする必要があります。

 そこで、例えば、You should use our product in order to attract more customers. と言ったとします。ここで使われているshouldという助動詞には、「~した方がいい」といった「提案」のニュアンスが含まれています。

 しかし、同時に「You should V」と言うと「あなたはVすべきだ」といった、やや「上から目線」の表現にもなり得ます。先に挙げた例文で言うと、「より多くのお客を呼び込むために、わが社の製品をお使い頂くのはどうでしょうか」といったニュアンスではなく、むしろ「より多くのお客を呼び込むために、わが社の製品を使うべきだ」といった意味になり、「提案」というよりは「命令」に近い響きになります。

 ですので、このケースならshouldよりもcouldの方が控えめな表現となり、命令調でなく「提案」に近くになります。更に控えめにするなら、文頭にMaybeを置くこともできます。Maybe you could V.「(場合によっては)Vしてもいいのでは」といったニュアンスです。maybeは「ひょっとすると~かもしれない」といった「不確実性」を表す副詞です。

 この他、いわゆる「学校英語」では、shouldとhad betterを「同義語」として扱われることがあるため、英語学習者の中には、この二つを同列に扱う人も少なくありません。単純に「shouldの多用を避ける意味でhad betterを使う」という人がいます。

 確かにこの二つ、方向性は同じですが、ニュアンスが大きく異なります。「had better V」は「Vしないと悪い結末が待ち受けている」といった意味を暗に含んだ表現で、ともすれば「脅し」にもなり得ます。例えば、You had better leave now, or you’ll miss the train.「もう行かなきゃ、電車に乗り遅れちゃうぞ!」。これはつまり「だから今すぐ行け!」ということなのです。それこそ商談の場で「You had better V.」を使うと、随分「上から目線」の物言いになりますので、避けた方が無難です。

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