英検３級は「中学卒業レベル」ということもあり、毎回、大問１では、中学英語で習う英文法に関する問題が、３問程度出題されます。
ですので、英検３級を受験される方は、今一度、中学英語の英文法をしっかりとおさらいしておきたいところです。
今日取り上げるのは、現在完了形（have＋Vpp［動詞の過去分詞形］）の継続用法で用いられる「for」と「since」の違いについて、です。
forとsince。共に現在完了形で使われることが多いので混同しがちです。よって、この２つの区別を必要とする問題が、英検３級で出る可能性があります。以下に例題を挙げます。
（例題）Yuko is very good at piano because she has played the piano ( ) she was five years old.
1. for 2. since 3. that 4. when
この例題の意味は、「裕子は、５歳の時からピアノを弾いているので、ピアノがとても上手だ」です。
空所の後を見ますと、SV（節）が続いています。ですので、空所には、接続詞が必要です。よって、前置詞の1. forは消えます。
3. that（＝関係代名詞の目的格）を入れると、「彼女が５歳だったピアノを弾いている」といった文になり、意味が通りません。
4. whenは「～する時」という意味で、現在完了形との相性が悪い接続詞です。では、whenは、どのように使うのか。以下に例文を挙げます。
（例文）Yuko began to play the piano when she was five years old.
「裕子は、５歳の時に、ピアノを弾き始めた」。
このように、when以下が過去形の場合、前半の節も過去形になります。例題では、前半の節が現在完了形（has played）なので、whenは不可です。
よって正解は、2. sinceです。sinceは「～以来（ずっと）」という意味の接続詞です。このsinceは、現在完了形と相性の良い接続詞です。
S1 have[has] V1pp since S2 V2p.「S2がV2した時以来ずっと、S1がV1している」。これは、現在完了形の「継続用法」です（＊V2pのpは「過去形」）。
前置詞forも、確かに現在完了形（特に継続用法）と相性の良い語ですが、後に節ではなく句が続きます。以下に例文を挙げます。
（例文）Yuko has played the piano for ten years.
「裕子は１０年間、ピアノを弾いている」（＝「裕子はピアノを弾き始めて１０年になる」）。
このように、forの後には「期間」を表す句が来ます。そして、「～間（かん）」という意味になります。
先ほどsinceは接続詞だと申しましたが、前置詞としても使える語です。sinceを前置詞として用いる時の例を挙げます。
（例文）Yuko has played the piano since 2005.
「裕子は２００５年からピアノを弾いている」。
このように、前置詞sinceの後には、過去の一時点を表す「句」が来ます。一方、接続詞のsinceの後には、過去の一時点を表す「節」が来ます。
実際、最初の例題がそうです。sinceの後、she was five years old「彼女が５歳だった」（＝５歳の時）ということで、やはり過去の一時点を表す「節」が続いています。
forとsince。この２つの違いを問う問題が、英検３級の大問１で、しばしば登場します。ですので、この２つの使い分けは、しっかりと抑えておくようにしましょう。
＜forとsinceの違い＞
for（前置詞）：後にten years「10年」などの「期間」を表す句が来る。
since（前置詞）：後に2005「2005年」などの「過去の一時点」を表す句が来る。
since（接続詞）：後にshe was five「５歳の時」などの「過去の一時点」を表す節が来る。
いずれも、現在完了形（have + Vpp［動詞の過去分詞形］）の継続用法と相性が良く、通常、文の後半で使われます。
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