英検1級単語の覚え方①(接頭辞「bene-」を持つ単語)


 英検1級合格を目指す上で、やはり一番厄介なのは、単語の数の多さではないでしょうか。英検1級対象語彙は、とにかく半端なく多い。それに難しい。

 決して、「日常語」ではないので、ちょっとした会話で出てくるような単語ではありません。それだけに、英検1級に特化した形で、どうにかして覚えるしかありません。

 まず、英検1級を受験しようという方の多くが、単語集を購入すると思います。そして、「どんな単語が載っているのかな」と思って本を開くと、知らない単語がいっぱい。

 また、綴りの長い単語が多くて、うんざり。一気にやる気を失ってしまう方が少なくありません。

 確かに、綴りの長い単語は、覚えにくい印象を受けます。しかし、綴りの長い単語ほど、語の成り立ちがわかりやすい、というプラスの面もあります。

 例えば、benefactor(女性形はbenefactress)という単語。これは、「恩人」、「恩恵を施す人」、「(学校などへの)後援者」、「基金寄贈者」といった意味を持つ単語です。

 この単語の成り立ちを見ますと、接頭辞の「bene-」は「good」(善良な)、語幹の「fact」は「make」(作る)、接尾辞の「-or」は「~する人」という意味を、それぞれ持ちます。

 「良いものを作る人」。つまりは、「恩恵を施す人」ということです。例えば、学校が新たな施設を作るという時、寄付などをして、資金面での援助をしてあげるような人です。

 接頭辞の「bene-」は、なじみのあるところでは、benefitという単語があります。benefitは「恩恵」、「利益」といった意味を持つ単語です。

 語幹の「fact」。例えば、factory「工場」がそうですね。工場は、ものを作るところです。他には、manufacture「製造する」もそうです。語の幹に「fact」がありますね。

 接頭辞「bene-」を持つ英検1級対象単語は、benefactorの他、benedictionがあります。これは、「祝福」、「祝祷」といった意味を持つ単語です。

 この単語の成り立ちは、接頭辞「bene-」、語幹「dict」(=say「言う」)、接尾辞「-ion」(名詞)です。「良いことを言う」。つまり、「祝福」です。

 語幹の「dict」が使われている単語を挙げると、predict「~を予想する」があります。接頭辞の「pre-」は「予め」、語幹の「dict」は「言う」。

 接頭辞「bene-」を持つ英検1級対象単語は、他にbenevolenceという名詞があります。意味は、「善意」や「慈善」です。やはり、「good」の意味が含まれます。

 語の成り立ちを見ますと、接頭辞「bene-」(=good「善」)、語幹「vol」(=wish「願う」)、接尾辞「-ence」(=名詞)です。つまり、well-wish「好意、善意」、ということです。

 benevolenceは名詞ですが、この派生語のbenevolent「善意の」(形容詞)やbenevolently「好意的に」(副詞)も、併せて覚えておきましょう。

 この他、beneficiaryも、接頭辞「bene-」が付く英検1級対象語彙です。意味は、「利益(恩恵)を受ける人」、「受益者」です。

 語の成り立ちは、接頭辞「bene-」、語幹「fici」(=make「作る」)、接尾辞「-ary」(~に関係する人)です。

 他に、綴りは長くはありませんが、benignと単語があります。これも、英検1級対象語彙です。意味は、「恵み深い」、「寛大な」、「良好な」、「(病気が)良性の」です。

 やはり、「good」の意味合いを含んでいますね。接尾辞「bene-」(=good)で、語幹は、この綴りからは見えにくいですが、「genus」(=born)です。

 「良いものを生まれ持った~」というのが原義です。語幹の「genus」は、gene「遺伝子」やgenerate「~を生み出す」などにも見られます。やはり「birth」に関連しますね。

 では以下に、今日取り上げた接頭辞「bene-」を持つ英検1級対象語彙をまとめます。

①benefactor「恩恵を施す人」:bene(good)+fact(make)+or(~する人)

②benediction「祝福、祝祷」:bene(good)+dict(say)+ion(名詞)

③benevolence「善意、慈善」:bene(well)+vol(wish)+ence(名詞)

④beneficiary「受益者」:bene(good)+fici(make)+ary(~に関係する人)

⑤benign「恵み深い、良性の」:ben(e)(good)+ign[=genus](born)

 英検1級の単語を覚えるの、確かに大変ですよね。特に綴りの長い単語は。

 でも、今日取り上げた単語のように、実は綴りの長い単語ほど、語の成り立ちがはっきりしているので、逆に覚えやすいこともあります。

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