企業などが、自社商品のPRのために、よくプロモーションビデオを作って、展示会で放映したり、ホームページで流したりしますよね。
つまり、この「プロモーション」(=promotion)とは、「販売促進」のことです。
このpromotionの単語の成り立ちを見ますと、接頭辞の「pro-」は「前方に」、語幹の「mot(e)」はmove「動かす」という意味があり、接尾辞の「-ion」は「名詞」を作る語尾です。
つまり、「promotion」=「(商品を)前面に押し出す」=「販売促進」ということです。
このpromotion、「販売促進」の他、「昇進」という意味もあります。「昇進」もやはり、ある社員を今の地位よりも前に押し出すことですね。
promotionの動詞形はpromoteです。promoteは「(人)を昇進させる」という意味の他動詞です。厳密に言うと、「(人)を(ある地位)に昇進させる」です。
よって、promoteの直後に、目的語となる「人」が来ます。更にその後、「ある地位に」が続きます。
この「ある地位に」の「に」に相当する前置詞は何か。これは、「昇進」という意味を考えるとわかりやすいはずです。
「昇進」とは、先にも述べたように、人を前へと押し出すことです。つまり、そこには「移動」の意味合いが含まれます。
ある地点から別の地点への移動。この時に用いる前置詞は「to」です。よって、promoteは「promote A to B」という型をとります。では、ここで、例文を見てみましょう。
(例文)The CEO decided to promote Ms. Akita to the sales manager.
(意味)社長は、秋田さんを営業部長に昇進させることを決めた。
この例文では、「promote A to B」のAに相当するのがMs. Akita、Bに相当するのがthe sales managerです。
尚、「~を昇進させる」という意味のpromoteは、受動態で用いることも多い動詞です。
例えば、「先月、秋田さんは営業部長に昇進した」ですと、Ms. Akita was promoted to the sales manager last month. となります(*wasの代わりにgotも可)。
このように、「A is promoted to B.」という受動態の型も、能動態の「promote A to B」と併せて覚えておくようにしましょう。
では、TOEIC(特にPart5)において、具体的にどういった問題が出されるか。以下に、例題を取り上げます。
(例題)In recognition of her great business results, the CEO has decided to ( ) Ms. Akita to the sales manager.
A. assign B. choose C. leave D. promote
まず、この例題の意味は、「素晴らしい営業成績を評価し、社長は秋田さんを営業部長に昇進させることを決めた」です。
この問題、「意味」から解こうとすると、他の選択肢も正解に見えるかもしれません。
例えば、assign。これは「(人)に(仕事)を割り当てる」という意味の動詞で、基本的には「give型」の他動詞です。
よって、「assign A B」または「assign B to A」という型を取ります。Aには「人」、Bには「仕事」が、それぞれ入ります。
次にchoose。これは、choose A as B「(人)を(役職)に選ぶ」という型をとる動詞です。asの代わりにforも可です。
最後にleave。leaveには「~を任せる」という意味があり、leave A to B「A(仕事)をB(人)に任せる」という型を用います。
つまり、この問題のポイントは、空所より後にある前置詞の「to」だということです。これをヒントに、「promote A to B」という型の知識を生かして解く問題だという訳です。
実際、TOEICでは、先の例題のように、選択肢に比較的平易な動詞が並ぶことがよくあります。その時はたいてい、「意味」ではなく「型」(=語法)で解く必要があります。
こういった「型」は、英語にはたくさん存在します。その中でも、とりわけTOEICによく出る「型」を優先的に覚える。これが、TOEICスコアアップの要諦です。
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