TOEICによく出る英語の「型」④(designの使い方)


 design(=デザイン)は、カタカナ語にもなっているので、皆さん、意味をご存知でしょう。名詞で「(服の)デザイン」というのが、カタカナ語では広く通用しています。

 この他、英語のdesignは、動詞としても使える単語です。意味は、「(服など)をデザインする」の他、「~を予定する」や「~に当てる」といった意味もあります。

 TOEICでは、第二義の「~を予定する」や「~に当てる」という意味で使われることが多いです。

 厳密には、「AをBに予定する」や「AをBに当てる」という意味です。ただ、基本的には、[SVO]型(=第三文型)の動詞なので、目的語を2つ並べることはできません。

 そこで、前置詞が必要になります。design A for Bという型を用います。以下に例文を挙げます。

(例文)The author designed the book for general readers.

(意味)「著者は、その本を一般読者に当てた」。

 「design A for B」のAに相当するのがthe book(その本)、Bに相当するのがgeneral readers(一般読者)です。

 また、designは受動態(A is designed for B.)で使われることも多い動詞です。先の例文を受動態にすると、The book was designed for general readers (by the author). です。

 このdesignの類語で、型も同じ動詞があります。それは、intendです。intendの第一義は、「~するつもりである」ですが、この他に「~を予定する」という意味もあります。

 以下に例文を挙げます。

(例文)Mr. Nakamura intended the seminar for those who wish to work overseas.

 この例文の意味は、「中村氏は、海外勤務を希望する人向けに、そのセミナーを予定した」です。このintendもdesign同様、受動態で用いることが多い動詞です。

 先の例文を受動態にすると、The seminar was intended for those who wish to work overseas (by Mr. Nakamura). となります。

 「design A for B」や「intend A for B」、およびその受動態の「A is designed for B.」や「A is intended for B.」を、ぜひ「型」で覚えておきましょう。

 では、TOEICでは、どのように出題されるのか。以下に、考え得る例題を挙げます。

(例題)The newly released book written by Albert Lister is specifically (     ) for health care workers.

A. designed   B. encouraged   C. planned   D. sold

 この問題文の意味は、「アルバート・リスターによって書かれた新発売の本は、特に医療従事者に当てられた」です。

 この問題、designが「~に当てる」という意味があるということに加えて、「design A for B」という型の知識があれば、難なく解くことができます。

 しかし、「design=デザイン」という認識しかなく、且つ「design A for B」という型を知らなければ、選択肢を選ぶのに、迷ってしまうでしょう。

 その結果、時間のロスが生じます。その上、間違いの選択肢を選んでしまうかもしれません。「時間のロス+誤答」。これは、TOEICでは、絶対に避けたいところです。

 TOEICは、時間との戦いです。よって、こうしたPart5の語法の問題は、「型」の知識を生かして、素早く選択肢を選び、且つ正答したいところです。

 ちなみに、他の選択肢を見ますと、encourageはencourage N to V「NにVするよう奨励する」や、encourage A in B「AにBを助長する」といった「型」を用います。

 planは、plan to V「Vする予定である」(他動詞)や、plan for N「Nに備える」(自動詞)といった「型」を用います。

 sell(soldの原形)は、sell A B(又はsell B to A)「AをBに売る」という型を用います。

 このように、TOEIC(特にPart5)では、「意味」ではなく「型」、あるいは「意味」および「型」で解く問題が多く出題されます。よって、TOEICでスコアを伸ばすには、「型」の知識を増やす必要があります。

 こういった「型」は、英語にはたくさん存在します。その中でも、とりわけTOEICによく出る「型」を優先的に覚える。これが、TOEICスコアアップの要諦です。

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