ＴＯＥＩＣのリスニング。Ｐａｒｔ１、２はどうにかなるけど、Ｐａｒｔ３，４は速くて流れについていけない。そう悩む学習者が少なくありません。
確かに、ＴＯＥＩＣ・Ｐａｒｔ３、４は、発話速度が速い上、質問文と選択肢に素早く目を通して、一瞬で意味を理解しなくてはなりません。
ですので、なかなかハードルの高い問題です。それだけに、ＴＯＥＩＣ・Ｐａｒｔ３、４で正答数を増やすには、相応の戦略が必要です。
「戦略」は幾つかありますが、とりわけ重要なのが「言い換え」に慣れることです。「言い換えを制する者が、ＴＯＥＩＣを制する」と、私はこれまで訴え続けています。
「言い換え」とは、本文中の答えの鍵となる文（Key sentence）で使われた語句を、正解の選択肢で、同じ意味を持つ別の語句に言い換えることを指します。
逆に言うと、本文中で使われている語句が、そっくりそのまま正解の選択肢で使われることはほぼない、ということです。
よって、ＴＯＥＩＣのスコアを伸ばすには、この「言い換え」を徹底的に練習する必要がある、ということです。
では、どんな「言い換え」が見られるのか。以下に具体例を挙げながら、ご説明したいと思います。なお、以下の例は、ＴＯＥＩＣ・Ｐａｒｔ４（説明文）を想定したものです。
まず、質問を先に確認しましょう。
What will be announced this afternoon?
これは「今日の午後、何が発表されるか？」という意味です。この質問のキーワードは、this afternoon「今日の午後」です。
このように、質問文に目を通す時、それに含まれる具体的なワードを必ずチェックするようにしましょう。そして、それを待ち伏せしながら、本文を聞くようにします。
では次に、Key sentenceを見てみましょう。
This afternoon Ms. Takagi, our public relations officer, will announce where the annual conference will be held this year.
この文の意味は、「今日の午後、うちの広報担当者の高木さんが、今年、どこで年次総会が開催されるかを発表します」です。
先ほど、質問文のキーワードが、this afternoon「今日の午後」だと述べました。ですので、This afternoonから始まるこの一文が、Key sentenceになります。
また、This afternoon以下が「答えの核心部分」（＝うちの広報担当者の高木さんが、今年、どこで年次総会が開催されるかを発表します）となります。
では、この問題の正解の選択肢は、どういったものとなるのか。例えば、こんな感じです。
The (v ) of an event
この選択肢の意味は、「あるイベントの〇〇」です。「あるイベント」とは、Key sentenceにあるthe annual conference「年次総会」を言い換えたものです。
さて、「〇〇」には、どんな言葉が入るでしょうか？「どこで開催されるか」ということなので、「〇〇」には「会場」という言葉が入ります。
「あるイベントの会場」が、正解の選択肢の意味です。さて、「会場」を英語で何と言うか？頭文字は「v」です。
お分かりですか？ 正解は「venue」です。このvenueは、コンサートや競技会などの「開催地」という意味を持つ名詞です。
つまり、Key sentenceの「where～be held」（どこで～が開催されるか）の箇所を、正解の選択肢では、the venueに言い換えている、ということです。
では、ここで改めて内容を確認しておきましょう。
(Key sentence)
This afternoon Ms. Takagi, our public relations officer, will announce where the annual conference will be held this year.
(Question)
What will be announced this afternoon?
(Answer)
The venue of an event
この問題では、２つの「言い換え」が含まれています。
①where～be held「どこで～が開催されるか」→ the venue「会場」
②the annual conference「年次総会」→ an event「とあるイベント」
こうした「言い換え」を瞬時に見抜くことが、ＴＯＥＩＣ・Ｐａｒｔ３、４の正当数を増やす上で、極めて重要になります。
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