TOEICによく出る言い換え表現④(lay over)


 TOEICのリスニングセクションのスコアを伸ばそうと、ひたすら英語を聞くことに注力している方が少なくありません。

 確かに、リスニング力を伸ばすには、英語を聞く絶対量を増やすことは重要です。しかし、TOEICのスコアアップにこだわるならば、それだけでは十分とは言えません。

 「英語を聞くこと」に加えて、「戦略」が必要です。それには、TOEICの出題傾向を知る必要があります。

 TOEIC、とりわけリスニングセクションのPart3、4では、本文中で述べられたことが、そっくりそのまま答えになる訳ではありません。

 むしろ、本文中で述べたことを、別の表現に言い換えることが多いのです。つまり、言い換えられたものが正解になることが多い、ということです。

 よって、TOEIC・Part3、4で正答数を増やすには、「言い換え」に馴染むことが肝要です。

 では、どんな「言い換え」が見られるのか。具体的な例を挙げながら、説明していきたいと思います。以下の例は、TOEICのPart3(会話文問題)を想定したものです。

 次の一文の意味を考えてみて下さい。

I will lay over at Chicago on my way to Boston.

 この文の意味は、「ボストンへ行く途中、シカゴで一旦降ります」です。on one’s way to Nは「Nの途中」、lay over at Nは「Nで途中下車する」という意味です。

 そして、質問は以下の通りです。

How is the man going to Boston?

 これは、「男性はどうやってボストンへ行きますか?」です。Howは「手段」や「方法」を尋ねる際に用いる疑問詞です。

 この問題に対する正解の選択肢は、以下の通りです。

By taking an (i     ) flight.

 さて、空所には、どんな英単語が入るでしょうか?ヒントとして、単語の頭文字「i」を出しています。

 この選択肢の意味は、「〇〇便に乗って」です。さて、「〇〇」には、どんな言葉が入るでしょうか?

 では、ここで改めて、最初に挙げた文を見てみましょう。

I will lay over at Chicago on my way to Boston.

 意味は「ボストンへ行く途中、シカゴで一旦降ります」です。つまり、シカゴ経由でボストンへ行く、ということです。

 よって、「〇〇」に入る言葉は「経由」です。「経由便に乗って」というのが、正解の選択肢の意味です。

 さて、「経由便」を英語では何と言うか?「経由便」ということはつまり「直行便」ではない、ということです。

 「直行便」を英語では、direct flightと言います。directは「ダイレクトな、真っすぐな」という意味の形容詞です。

 このdirectの頭に「in」という否定の意味を持つ接頭辞を付けると、indirect「まっすぐではない」という意味の形容詞になります。

 よって、正解の選択肢の空所には、indirectが入ります。indirect flightで「経由便」という意味です。

 本文中のlay over「途中で降機する」を、正解の選択肢では、indirect flight「経由便」に言い換えています。

 こういった「言い換え」が、TOEIC・Part3、4ではよく見られます。こうした「言い換え」に瞬時に気付くことが、正答数を増やす鍵となります。

 今回採り上げた問題を改めて下記にまとめます。

(Key sentence)

I will lay over at Chicago on my way to Boston.

(Question)

How is the man going to Boston?

(Answer)

By taking an indirect flight.

 最初にあるKey sentenceとは、本文中の答えの鍵となる文のことです。TOEIC・Part3、4で正答するには、このKey sentenceをしっかりと聞き取ることが重要です。

 それにはまず、質問文に目を通しておくことが重要です。質問文はHowから始まる疑問詞疑問文なので、「手段」や「方法」を意識して聞くようにします。

 また、質問文に含まれる具体的な名詞(*ここではBoston「ボストン」)を抑え、それを待ち伏せしながら、本文を聞くようにします。

 そして、先のKey sentenceをキャッチし、「lay over(途中降機)→ indirect flight(経由便)」への「言い換え」を瞬時に見抜いて、正答を選びます。

 TOEIC・Part3、4では、こうした「瞬発力」を発揮することが、極めて重要になります。

 その「瞬発力」を身に着けるには、主に3つの要素が必要です。その3つとは、①リスニング力、②語彙力、③「言い換え」への慣れ、です。

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