TOEICによく出る言い換え表現③(someone in charge)


 TOEICのリスニングで苦戦している。特に、Part3、4の正答率が上がらない。こんな悩みを抱える方、少なくないのではないでしょうか。

 こういった悩みを抱える方の多くが、リスニングでの正答率を上げようと、必死で聞く練習に励みます。

 もちろん、聞く練習をすることは、リスニング力を磨く上で、非常に大事なことです。しかし、殊、TOEICのリスニングでスコアを伸ばすには、それだけでは不十分です。

 とりわけTOEIC・Part3、4の正答率を上げるには、「リスニング力」そのものをアップさせることに加えて、「言い換え」に強くなる必要があります。

 と言うのも、TOEIC・Part3、4は、本文中で使われた表現を、正解となる選択肢で、同じ意味を持つ別の表現に言い換えることが、非常に多いからです。

 質問を事前に目を通し、「答えの核心部分」を待ち伏せしながら聞きます。そして、答えを導く鍵となるKey sentenceをしっかりと聞き取ります。

 その後、Key sentenceの内容を、別の語句に言い換えている選択肢を瞬時に判別し、選ばねばなりません。

 こうした、瞬時の「マッチング作業」が、TOEIC・Part3、4で正解する上で、欠かせません。これには、相応の訓練が必要です。

 相応の訓練とは、具体的には、先にも述べたように、「リスニング力」そのものを身に着けるための訓練に加えて、「言い換え」のトレーニングをすることです。

 「言い換え」のトレーニングには、3つのステップがあります。①Questionの把握、②Key sentenceの確認、③正解の選択肢における「言い換え」の予想、です。

 ではここで、「言い換え」のトレーニングの具体例を挙げます。次の例は、TOEIC・Part3(会話文)を想定したものです。

 まず、質問が、What does the man suggest the woman do? だとします。この質問の意味は、「男性は女性に何をするよう提案しているか?」です。

 質問が「提案」ですので、Key sentenceには「~したら?」とか「~してはどうか」といった「提案表現」が含まれます。本番では、それを待ち伏せしながら聞きます。

 ここでのKey sentenceは、Maybe you could discuss the matter with Nicholas Johnson, our accounting manager. です。

 このKey sentenceの意味は、「その件は、弊社の経理部長のNicholas Johnsonと話し合ってみてはどうでしょう」です。

 「Maybe you could V.」は「Vしてみてはどうでしょう」といった「提案表現」です。よって、「V」に入る内容が、この問題の「答えの核心部分」となります。

 つまり、discuss the matter with Nicholas Johnson, our accounting manager.「弊社の経理部長のNicholas Johnsonと例の件を話し合う」が「答えの核心部分」です。

 これを、正解の選択肢では、どう言い換えるのか。空所に適語を入れてみて下さい。

(T     ) with someone in charge

 someoneとは、漠然とした意味での「人」、「者」または「誰か」という意味の名詞です。その後のin chargeは「~の担当、~の責任」という意味です。

 つまり、someone in chargeで「責任者」という意味になります。その「責任者」と何をするよう、男性が女性に提案しているか。

 Key sentenceでは、discuss「話し合う」という動詞が使われていました。これを頭文字が「T」の動詞に言い換えます。

 正解は、「(~と)話す」という意味の動詞「Talk」です。それでは、改めて以下にまとめます。

(Key sentence)

Maybe you could discuss the matter with Nicholas Johnson, our accounting manager.

(Question)

What does the man suggest the woman do?

(Answer)

Talk with someone in charge

 この問題では、3つの「言い換え」が見られます。その3つとは、①「discuss → talk」、②「Nicholas Johnson → someone」、③「manager → (someone) in charge」です。

 ①「discuss → talk」は、類語による「言い換え」です。これは、TOEICに限らず、英語の試験ではよくある「言い換え」の一つです。

 ②「Nicholas Johnson → someone」は、「具体→抽象」への「言い換え」です。本文中の具体的な人名を、選択肢でsomeone「誰か」といった抽象的な表現に言い換えます。

 この「具体→抽象」への「言い換え」は、TOEICでは頻出し、最もマークすべき「言い換え」です。

 また、③「manager → (someone) in charge」も、②と同じ「具体→抽象」への「言い換え」です。「マネージャー」=「責任者」だからです。

 如何でしたか?TOEIC・Part3、4の「言い換え」、少しはイメージできましたか?

 「オンライン英語教室のUB English」の「TOEIC対策」では、こうしたTOEICの特徴をとらえ、「言い換え」のトレーニングを適宜行っております。

 これにより、TOEIC・Part3、4の正答率のアップを目指します。ご興味ある方、まずはお気軽にお問合せください。

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