「これからはAI(人工知能)がより的確な学習指導を行うようになり、学習者は一人でも英語をマスターできるようになるかもしれない」。こういった声を最近、よく耳にします。それにより「英語教師は今後、要らなくなるのではないか」という懸念の声が聞かれます。
実際、既に一部の学習塾などでは、生徒にタブレット端末を配布し、生徒個々にAIの指示に従って学習を進めているところがあります。自分が学びたい箇所を選んで学ぶことができるので、団体による一斉授業よりも学習効率が高いとされています。
では、講師の仕事はと言うと、全体の状況を手元のタブレットで確認しながら、必要に応じてヘルプするというもの。teacherと言うよりはsupervisorに近いものがあります。全体を監督するのが講師の役目で、何かを直接教えることがほとんどないからです。
今後、AIが更に進化し、こうした学習スタイルが普及すれば、それこそ「学校不要」という話になりかねません。と言うのも、結局、この学習スタイルは「自習」と同じだからです。そうであるなら、学校という「場」は必要なくなり、教師も必要なくなります。しかし、これがどの程度、現実味があるかと言うと、私は懐疑的な見方をしています。何故なら、先にも述べたように、メディアが変わっただけで、あくまでも「自習」だからです。
「自習」という学習スタイルは、決して今に始まったものではありません。インターネットがなかった時代でも、「通信教育」という制度はありました。紙ベースの教材を郵送していたのが、タブレットを使ったデジタル&ペーパーレスになっただけのことです。随分、以前から「自習」は存在していたにもかかわらず、学校や学習塾、英会話スクールなどを淘汰しなかった。この事実こそ、「自習」の限界を物語っているように思うのです。つまり、「学び」には、何等かのインタラクションが不可欠だということです。
教師が発問し、生徒が考え、答える。また、生徒が質問し、教師がそれを解説する。また、生徒同士が共に考えるよう、教師がセッティングする。こうしたインタラクションを通じて、生徒は学んでいくのだろうと思います。よって「英語教師の仕事は(少なくとも当面は)なくならない」というのが、本項での結論です。
ただ、英語教師が今後、サバイブしていくには、一つ条件があります。それは、インタラクティブ(双方向)な授業を展開するティーチングスキルを身に着けることです。「オンライン英語教室のUB English」が開講する「Teacher trainingコース」では、現役英語教師の先生方および英語教員志望者の方々を対象に、そのためのサポートをさせて頂いております。ご興味ある英語教師の先生方(志望者含む)、まずはお気軽にお問合せ下さい。