「関係副詞where」の正体


 「英文読解」や「英語資格試験対策」などの授業を行っていると、「関係副詞のwhere」が登場することがあります。その時、私が「これは関係副詞ですね」と言うと、「関係代名詞は知ってるけど、関係副詞って馴染みが薄いですね」という生徒がよくいます。

 「関係副詞」とは何か。読んで字のごとく「関係詞」が副詞的に働いているものを指します。ただ、こんなこと言われても、ピンと来ませんよね。そこで、本項では、具体例を挙げながら、「関係副詞のwhere」とは何かについて、論じていきたいと思います。

 Seattle is a city where I used to live.「シアトルは、私がかつて住んでいた都市です」。この文に出てくる「関係副詞のwhere」以下が、先行詞cityを修飾しています。

 この例文Ⓐは、関係副詞のwhereを用いることで、2つの文を1つの文にまとめたものだと考えるとわかりやすいかもしれません。①Seattle is a city.「シアトルは都市です」、②I used to live in the city.「私はかつてその都市に住んでいました」の2つです。この2つを1つにしたのが、例文Ⓐです。

 この例文Ⓐは、②の(the) cityが先行詞として前に出た形です。更に、②にあった前置詞「in」は、関係副詞whereの中に吸収された形です。

 cityは「もの」ですから、関係代名詞を用いて修飾する場合は、whichを使います。例えば、ⒷKyoto is a city which a number of foreign tourists visit.「京都は、多くの外国人観光客が訪れる都市だ」という文。

 この文を2つに分けると、①Kyoto is a city.「京都は都市です」、②A number of foreign tourists visit the city.「多くの外国人観光客が、その都市を訪れる」となります。②の文を見ると、先のI used to live in the city.とは違い、前置詞「in」がありません。

 前置詞「in」の有無。ここが、大きなポイントです。例文Ⓐには元々「in」があったので、関係詞はwhereを用い、例文Ⓑには元々「in」がなかったので、関係詞はwhichを用いる。つまり、関係副詞whereの正体は、「in(前置詞)+ which」だということです。

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