「some」と「any」の違い


 someとany。ともに中学英語で習うものですが、「いまいち、この二つの違いがよくわからない」という声をよく耳にします。実際、私の生徒からもよく受ける質問の一つです。そこで、本項では、someとanyの違いについて、論じてみたいと思います。

 someとany。中学校では、次のように教えることが多いです。それは、「someは肯定文で、anyは疑問文、否定文で、それぞれ用いる」と。確かに、中学生にわかりやすく説明するなら、これがベストでしょう。しかし、厳密にはちょっと違います。

 何が違うかと言うと、「someは疑問文でも使うことがある」という点です。例えば、Do you have some money? という疑問文。これは、文法的に正しい文です。もちろん、Do you have any money? もOKです。共に「お金を持っていますか?」という訳になります。

 では、この2つの文はどう違うのか。Do you have some money? と言うと、聞き手の中に「相手は恐らくいくらかは(お金を)持っているだろう」という思いがあることになります。一方、Do you have any money? と言うと、「もしかすると一銭も持っていないかも」という思いが聞き手にあることになります。

 他にも、Would you like some coffee? という文。これも疑問文なのにsomeが使われています。文法的にも問題ありません。意味は、「コーヒーは如何ですか?」。このケースのsomeは、特に意味はありません。不可算名詞に添える冠詞「a」のような存在です。

 では、Would you like any coffee? はどうか。これも文法的にはOKの文です。ニュアンスの面では、先のmoneyの例文と同じで、someは、相手がコーヒーをいくらかは欲しがっているであろうという想定が聞き手の中にあるのに対して、anyは、相手がコーヒーを欲しているかどうかがわからない、といった違いがあります。

 このように、someとanyは共に、疑問文でも用いることができます。但し、聞き手の意図に違いがあるということです。someは「(分量の)程度」を尋ねる際に用いるのに対して、anyは「有無」を問う時に用います。また、someには「冠詞」の役割もあります。中学英語の教えでもある「肯定文ではsome、否定文ではany」というのは、その通りです。

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