英語の授業は英語で行うべきか?


 「先生は、英語で授業をすることには賛成ですか、それとも反対ですか?」といった質問をよく受けます。これについての私の見解は、「It depends.」(状況による)です。

 私は27歳の時に、大手英会話スクールで英会話講師として「講師デビュー」を果たしたのですが、そのスクールの方針が「English Only」だったので、英語だけで授業を行っていました。また、それとは別に、美容専門学校で「サロン英会話」を教えていたことがあるのですが、その時も英語だけで授業をしていました。

 英語で授業をすること自体、苦ではなかったですし、生徒もそれなりに授業を楽しんでくれている様子でした。特に、専門学校の学生は、英語での授業が初めてという子がほとんどだったので、新鮮に感じたようでした。

 ただ、教育的な視点では、英語で教えることの限界を感じていたことも事実です。例えば、文法の指導。先に挙げた英会話スクールは、文法もダイレクトメソッドで教えるという方針だったのですが、正直難しいと感じることがありました。無理に英語で教えるよりも、日本語で解説してあげた方がよほど効率的ではないかと思ったものです。

 美容学校での「サロン英会話」については、完全に「コミュニカティブ」な授業に徹していましたので、文法の指導はほぼ皆無でした。だから、「English only」の授業であっても大きな支障はなかったのです。

 対象が幼児や児童なら、絵カードを見せたりしながら、文法的な面も英語だけで教えられなくはないですが、中高生以上なら、むしろ日本語で解説をした方が効率的ですし、また生徒にとっても理解がしやすいはずです。

 ですので、「English Only」が是か非かということよりも、むしろ場面に応じた「上手な使い分け」をするのが理想と言えるのではないでしょうか。例えば、本文の音読やグループでのちょっとしたディスカッション、およびアクティビティの指示などは英語で行い、文法や語法などの細かな指導が必要な場合は、適宜、日本語での解説を交えるというものです。我々日本人英語講師は、こういった「バランスの取れた指導方法」を身に着けるべきではないかと思います。

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