「must」と「have to」の違い


 中学英語では、説明をシンプルにするために、「must」と「have to」は同じ、と教えることがあります。これは、「will」と「be going to」や「can」と「be able to」が同じだとするのに似ています。しかし、厳密には、全く同じではありません。

 では、「must」と「have to」は、どう違うのか?共に「~しなければならない」といった「義務」や「強制」を表す助動詞で、区別なく用いるケースも多くあります。ただ、最も顕著に違いが現れるのは、「否定文」です。

 「must not」と「not have to」。この二つは、大きく異なります。「must not」が「~してはならない」という意味の強い禁止を表すのに対して、「not have to」は「~しなくてもよい」という意味になります。

 例えば、You must not park your car here.と言うと「あなたはここに駐車してはならない」という意味になります。一方、You don’t have to get up early tomorrow because it’s Sunday.「明日は日曜日なので、早起きしなくてもいいね」という意味になります。

 もう一つの大きな違いは「過去形」です。「must」の過去形は「must have Vpp」で、意味は「Vしたに違いない」となります。一方、「have to」の過去形の「had to」は「~しなければならなかった」という意味になります。

 「must have Vpp」の例を挙げると、A: I didn’t have time to eat lunch yesterday. B: Oh, then, you must have been hungry.(A:昨日、昼食を摂る暇がなかった。B:あら。じゃあ、お腹が空いていたに違いないわね)といった具合です。

 一方、「had to」は、A: Why didn’t you come to the party last night? B: Because I had to finish the report.(A:昨夜、何故、パーティに来なかったの? B:報告書を仕上げなくてはならなかったから)といったように使います。

 この他、細かいニュアンスの違いを挙げると、①You must go now. と ②You have to go now. の違い。①は、話し手の意思が反映されたものであるのに対して、②は、(そうでないと終電に間に合わないよ)など、周囲の状況から判断したもの、といった違いがあります。

 如何でしたか?「オンライン英語教室のUB English」の「中学英語のやり直し」講座では、「mustとhave toの違いは?」といった素朴な質問にお答えし、英語に関する様々な疑問をクリアにしていきます。ご興味ある方、まずはお気軽にお問合せ下さい。