文法訳読中心の英語教育を受けてきた今の40~50代の方が学生以来、久しぶりに英語に取り組むという時、どういう順序で学んでいくのが適切なのか。
こういう方は、「長文の読みこなしについては、それほど苦痛ではない」という方が多いです。
ですので、学生時代と同じように、文法訳読式の英語学習を敢えてする必要はないと思います。
むしろ、ライティングの練習をする。それにより、「読めるけど書けない」という状況を改善していく。
また、「知識語彙」(意味を知っている単語)と「使用語彙」(使いこなせる単語)とのギャップを「ライティング対策」を通じて埋めていくことが重要です。
それができれば、今度は残りの2技能(「聞く」、「話す」)を鍛えます。但し、この段階で、いきなり「ネイティブ講師とのEnglish Onlyの英会話」に臨むのは、負担が大きすぎます。
よって、まずは「リスニング対策」に特化する。その際、「聞くべき項目を絞って聞く」ことを、2020年12月16日のブログで薦めました。
そして、聞き取りに自信が持てるようになった段階で、「スピーキング対策」に移行します。ここでも、徐々にレベルアップしていくことを薦めます。
まずは、個人の習慣など、日常的な内容を確実に英語で答えられるようにします。その後、社会的な話題について、客観的な意見を述べる練習をします。
こうして、「聞かれたことにきちんと答える」ということが確実にできるようになれば、より実践的な練習を採り入れます。
その「実践的な練習」とは、「英会話」です。但し、ここでも一足飛びに「ネイティブ講師とのEnglish Onlyの英会話」に臨むのではなく、じっくりと進めることを薦めます。
具体的には「日本語解説付きの英会話」です。つまり、日本人英語講師との英会話のレッスンを受ける、ということです。
ここでは、基本、英語でのやりとりを行います。ただ、レッスン中、終始英語のみとするのではなく、適宜、日本語での解説を挟みます。
例えば、5分間、英語だけでの会話を行います。その後、「日本語解説」のコーナーを5分ほど設けます。
その際、生徒の発言中に生じた文法上のエラーについての解説を日本人英語講師が行います。
こうした解説を受けることで、生徒は「なるほど、そうか!」と、理解を得ることができます。40~50代の大人の英語学習において重要なのは、こうした理解を得ることです。
日本人の子供が、幼少期を英語圏で過ごすと、第二言語である英語がネイティブ並みに流ちょうになることがありますが、子供は理屈ではなく、感覚で言語を身に着けます。
しかし、日本にいる大人が、英語を外国語として習得する場合、感覚だけで言葉を覚えることは、ほぼ期待できません。
むしろ、きちんとした「理解」がないと、習得には至りません。逆に言うと、きちんと理屈を理解すれば、案外素早く習得することが可能です。
SLA(第二言語習得)の多くの研究でも証明されていることなのですが、言語のルールを習得するのは、子供より大人の方が速いのです。
それは、大人の方が子供よりも、理屈を理解する(物事を論理的に解釈する)能力に長けているからです。
よって、英会話のレッスンにおいても、発展途上の段階においては、「日本語解説付きの英会話」を受ける方が、40~50代の大人にとっては、有効と言えます。
日本語による解説を受けることで、エラーを認識すると同時に、正しい表現方法を学び、理解する。そうして、「使える表現」のストックを増やしていくのです。
この「日本語解説付きの英会話」を通じて、聞き取りや発話に、ほぼ問題がなくなり、円滑なコミュニケーションができるようになった段階で、次のステージを考えます。
その「次のステージ」とは、「ネイティブ講師とのEnglish Onlyの英会話」と「日本人英語講師とのレッスン」との併用です。この件は、後日、詳しく論じることとします。
その「次のステージ」に到達するまでの間は、「日本語解説付きの英会話」の受講をお薦めします。それにより、しっかりと土台を築くことが重要です。
「オンライン英語教室のUB English」の「基本英会話」では、指導経験豊富な日本人英語講師による「日本語解説付きの英会話」を行っております。
ご興味ある方、まずはお気軽にお問合せください。レッスン内容に関する詳しいご相談は、「無料個別カウンセリング」にて承っております。
尚、明日(2020年12月19日[土])、Amazon Kindleにて『40~50代の英語学習法 英語教師が語る7つの提言』をリリース致します。宜しければご一読下さい!