昨日のブログでは、「ライティングのすすめ」というテーマで、持論を展開しました。もともと強かった「読解力」に加えて、「ライティング力」を伸ばす。
この２つの能力を鍛えることにより、英語の「読み書き」ができるようになった。さぁ、こうなると、「英語４技能」の残り２つのスキルも磨きたいところです。
残り２つのスキルとは、「聞く」（リスニング）と「話す」（スピーキング）です。この２つのスキルをどうやって鍛えるか。
恐らく多くの人が、真っ先に思いつくのが「英会話」ではないでしょうか。「英会話」の練習を通じて、「聞く」、「話す」の２つのスキルを同時に鍛えることができます。
「英会話」は確かに、非常に有効な練習方法ではあります。ただ、英語から久しく遠ざかっている４０～５０代の方にとっては、負担が大きすぎるかもしれません。
例えば、アメリカ人やイギリス人など、英語のネイティブスピーカーの先生と、いきなり英語だけで「英会話」のレッスンに臨むと、どうなるか。
まず、相手（先生）の言うことを聞き取るのに苦労するかもしれません。相手の質問が聞き取れず、何度も聞き返す。これでは、なかなか会話が弾みません。
また、仮に聞き取れたとしても、返答の仕方が思いつかず、「え～と、え～と」と考え込んでしまう。
そんな時、ネイティブの先生は、「Don’t be shy.」（恥ずかしがらずに！）と言うかもしれません。
「いや、恥ずかしがっているんじゃなくて、単に英語が思いつかないだけなんだよ」と思いつつ、それも英語にできない。
結果、苦笑いするだけで、時間がどんどん過ぎてしまう。こうなると、非常に中身の薄いレッスンになってしまいます。
では、どうすればいいのか。方法は２通りあります。一つは、「リスニングとスピーキングの２技能を分けてトレーニングする」というものです。
そして、もう一つは、「English Only!」ではなく、「日本語解説付きの英会話を行う」というものです。
本項では、前者（リスニングとスピーキングを分けて鍛える）の、特にリスニングの鍛え方について、論じていきたいと思います。
これは、ある一定期間、リスニングに特化したトレーニングを行い、ある程度、聞き取りに自信が持てるようになった段階で、スピーキングを取り入れる、という方法です。
リスニング力を鍛える上で重要なのは、やはり聞く量を増やすことです。聞く絶対量を増やさない限り、リスニング力は伸びません。
とはいえ、むやみに聞きまくるのではなく、内容を絞って聞くことが重要です。つまり、「誰が」、「いつ」、「どこで」、「何を」するのか、といったことにフォーカスするのです。
会話や説明文を一言一句聞き取るのではなく、「聞き取るべきこと」を絞って聞く。そうすることで、集中力をもって聞くことができます。
逆に、その辺りを意識せず、ただ漫然と聞くとなると、注意が散漫し、そのうち「雑音」と化す可能性があります。
「聞き流し」や「ひたすら聞き」の問題点は、ここにあります。つまり、英語を聞いているはずが、いつしか雑音になってしまう恐れがある、ということです。
この状態（雑音と化した状態）で、いくら聞いても、英語のリスニング力の向上にはつながりません。やはり、集中力をもって聞き、内容を理解することが重要です。
では、集中力を維持した状態で聞き、内容を理解するには、どういったリスニングのトレーニングが有効なのか。
一つは、「リスニングの問題を解く」という方法があります。例えば、英検やＴＯＥＩＣのリスニング問題を活用します。
ＴＯＥＩＣのリスニング問題（Ｐａｒｔ３、４）は、問題用紙に質問文と選択肢が載っています。そこで、本文を聞く前に、質問文と選択肢を読んでおくのです。
そうすることで、何を聞くべきかがわかります。つまり、絞って聞くことができる、ということです。
英検のリスニング問題は、問題用紙には選択肢だけが載っていて、質問文は書かれていません。本文が流れ終わった後に、質問文が流れます。
ただ、選択肢を見れば、おおよそどういった話題が聞かれるかということは、事前にある程度、見当がつきます。
少なくとも、何の手掛かりもない状態で、いきなり本文を聞くよりは、聞き取りやすいはずです。
こういったトレーニングを繰り返すことで、英文を聞いた時に、主旨をつかむことができるようになります。
聞き取りにおいて、この「主旨をつかむ」というのが、最も重要なことです。ですので、これを最優先としたリスニングのトレーニングを施すべきだと考えます。
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