英検1級単語の覚え方⑥(接頭辞「contra-」を持つ単語)


 ボクシングの「カウンターパンチ」って、皆さん聞いたことありますよね。あれは、相手が前に出てきて、パンチを打とうとした時に、逆にこちらがパンチを打ち返すことです。

 つまり、「カウンター」(=counter)には、「逆」とか「反対」という意味がある、ということです。

 その「カウンター」の意味を持つ接頭辞が「contra-」です。今日は、この接頭辞「contra-」を持つ英検1級対象語彙をご紹介したいと思います。

 例えば、contraband。これは、「密輸(品)」という意味の名詞です。語の成り立ちは、接頭辞「contra-」(=反対)、語幹「band」(=ban「禁止」)です。

 「密輸」とは「輸入禁止に反する行為」です。だから、contrabandで「密輸(品)」という意味になります。

 この他、接頭辞「contra-」を持つ英検1級対象語彙では、contradictがあります。これは、「~に反論する、否定する、~と矛盾する」という意味の他動詞です。

 語の成り立ちは、接頭辞「contra-」(=反対)、語幹「dict」(=say「言う」)です。「反対のことを言う」=「否定、反論、矛盾する」です。原義のままですね。

 contradictの名詞形contradiction「矛盾」、形容詞形contradictory「~と矛盾した」も併せて覚えておきましょう。接尾辞の「-ion」は名詞、「-ory」は形容詞を、それぞれ作ります。

 この他、contraveneも英検1級対象語彙です。意味は、「(法律など)に違反する、(議論)に反対する」です。

 やはり、接頭辞の「contra-」(反対)が効いていますね。語幹の「vene」はcome「来る」です。

 一方通行の道で、反対の方向から来た車は、道路交通法に違反していますね。そんなイメージで覚えて頂くといいのではないでしょうか。

 ちなみに、「~を仲裁する」という意味のinterveneという動詞(英検1級対象語彙)があります。

 この単語の成り立ちを見ますと、接頭辞「inter-」は「~の中に、間に」(=between)、語幹「vene」は「来る(=come)」。「二者の間に入って来る」→「仲裁する」です。

 接頭辞「contra-」に話を戻しましょう。controversialという形容詞も、英検1級対象語彙です。意味は、「議論を呼ぶような~」です。

 若干綴りは違いますが、接頭辞「contro-」は「contra-」のことです。語幹「vers」は「返す」(=turn)、接尾辞「-ial」は形容詞を作る語尾です。

 「反対の方向へ向けるような~」→「議論を呼ぶような~」です。「議論」には、反対意見がつきものです。よって、接頭辞に「contra-」が付いているのも頷けます。

 語幹「vers」は、一昨日のブログで取り上げました。動詞形は「vert」ですが、「転換」(=turn)を意味します。

 controversial(形容詞)は、controvert(動詞)「~について論争する、論駁する」の派生語です。尚、名詞形はcontroversy「論争」です。

 では以下に、今日取り上げた接頭辞「contra-」を持つ英検1級対象語彙をまとめます。

①contraband「密輸(品)」:contra(against)+band(ban)

②contradict「~に反論する」:contra(against)+dict(say)

③contravene「~に違反する」:contra(against)+vene(come)

④controversial「議論を呼ぶような~」:contra(against)+vers(turn)+ial(adj)

 こうして見ますと、全ての語義に「反対」、「反すること」という意味合いが含まれていますね。やっぱり、カウンターパンチが効いていますね(笑)。

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