英検1級単語の覚え方③(語幹「-pel」を持つ単語)


 昨日一昨日のブログで、長い綴りの単語は、語の成り立ちがわかりやすく、意外と覚えやすいものもあると述べました。

 では、短い綴りの単語はどうか。これは、単語によって違いますが、接頭辞や語幹がはっきりしているものであれば、語の成り立ちが見えやすく、覚えやすいはずです。

 例えば、dispelという動詞。これ、英検1級対象語彙ですが、皆さん、意味をご存知ですか?

 これは、「(不安)を追い払う」という意味の他動詞です。この単語、綴りは短いですが、語の成り立ちは、はっきりしています。

 接頭辞「dis-」は「反対」(=away, against)、語幹「-pel」は「動かす、追いやる」(=drive)です。drive N away。つまりは「Nを追い払う」です。

 接頭辞「dis-」は、よく見かけますよね。相対的に否定的な意味を持つ接頭辞で、動詞に付くと「反対の動作」を表します。

 例えば、dismiss。これは、「~を退ける」という意味の他動詞です。語幹の「mis(s)」(=mit)は「送る」(=send)の意味を持ちます。

 それに、「反対の動作」の意味を持つ接頭辞「dis」が付いたものです。「反対の方へ送る」→「送り返す」→「~を退ける」です。

 語幹「-pel」を持つ英検1級対象語彙は、dispelの他、expelがあります。意味は、「(外国人)を強制退去させる」や「(人)を(場から)追い出す」です。

 expelの語の成り立ちを見ますと、接頭辞「ex-」が「外へ」(=out)、語幹「-pel」が「動かす、追いやる」(=drive)です。語義は、原義とほぼ変わりませんね。

 接頭辞の「ex-」(=out)も、よく見かけますね。英検1級対象語彙にも、接頭辞「ex-」を持つ単語は、たくさんあります。

 例えば、excavate「~を掘り起こす」。語の成り立ちは、接頭辞「ex-」(=out「外へ」)、語幹「cav」(=hollow「穴」)、接尾辞「-ate」(動詞)です。

 この他、語幹「-pel」を持つ英検1級対象語彙では、repelがあります。意味は、「(敵)を追い払う」です。

 接頭辞「re-」は「反対(の方向)に」、「後ろへ」といった意味を持ちます。それに、語幹の「-pel」(動かす、追いやる)[=drive]が付いたものです。

 接頭辞「re-」を持つ英検1級対象語彙も、たくさんあります。例えば、relegate。これは「(目立たないところに人)を追いやる、左遷する」という意味の他動詞です。

 relegateの語の成り立ちを見ますと、接頭辞「re-」(=away)、語幹「leg」(=send)、接尾辞「-ate」(動詞)です。

 この他、propelも、語幹「-pel」を持つ単語です。意味は、「(機械などで)~を前進させる、推進する」です。接頭辞「pro-」は「前へ」(=forward)という意味を持ちます。

 drive forward。つまりは「(~を)前進させる」です。これも、単語の成り立ちがわかりやすいですよね。

 ちなみに、propeller「プロペラ」は、動詞「propel」に、接尾辞「-er」(~する者)が付いたものです。pro-「前へ」+pel「動かす」+er「者」=「プロペラ」です。

 接頭辞「pro-」を持つ英検1級対象語彙も、たくさんあります。例えば、proclaim。これは、「~を(公式に)宣言する」という意味の他動詞です。

 接頭辞「pro-」には、「前へ」の他、「公に」という意味もあります。語幹の「claim」はcry「大声をあげる」です。「公の場で大声をあげる」→「宣言する」です。

 では以下に、今日取り上げた語幹「-pel」を持つ英検1級対象語彙をまとめます。

①dispel「(不安)を追い払う」:dis(away)pel(drive)

②expel「(人)を(場から)追い出す」:ex(out)+pel(drive)

③repel「(敵)を追い払う」:re(away / back)+pel(drive)

④propel「(機械で)~を前進させる」:pro(forward)+pel(drive)

 語幹「-pel」以外で、今日取り上げた英検1級対象語彙も、以下にまとめます。

⑤dismiss「~を退ける」:dis(away)+miss(send)

⑥excavate「~を掘り起こす」:ex(out)+cav(hollow)+ate(verb)

⑦relegate「~を左遷する」:re(away)+leg(send)+ate(verb)

⑧proclaim「~を宣言する」:pro(forward / out)+claim(cry)

 今日取り上げた語幹「-pel」のように、同じ語幹を持つ単語をまとめて覚えると、語彙の数を増やしやすいでしょう。

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