英語の「仮定法」の教え方


 日本の英語教育が、かつての「文法訳読式」から「コミュニカティブ重視」を経て、現在の「英語4技能重視」へと変化してきましたが、いつの時代でも、日本人英語教師に求められるのは、英文法の指導です。

 実際、英語の教科書の多くが、依然として、ターゲットとする文法項目別に章を分けています。「時制」、「完了形」、「受動態」、「不定詞VS動名詞」、「関係詞」など。また、「仮定法」も必須の文法項目の一つです。

 「Teacher trainingコース」(英語教員研修)を担当していますと、生徒である英語教師の先生から、「仮定法をどう教えたらいいか?」と相談を受けることがしばしばあります。そこで、本項では、英語の「仮定法」の教え方を論じてみたいと思います。

 英文法の指導においては、様々なアプローチがありますが、殊、仮定法においては、私はImplicit instruction(暗示的指導)からExplicit instruction(明示的指導)へと移行するやり方がいいのではないかと考えます。

 まず、仮定法を含んだ会話文を学ばせます。例えば、友人同士で「もし宝くじに当たったらどうするか?」という話題についての会話をしている場面を与えます。A: What would you do if you won the lottery?(もし宝くじに当たったら、どうする?)、B: I would probably take a trip around the world.(私なら世界一周旅行に行くわ)といった具合です。

 この手の話題は、ペアやグループでの会話をさせやすいと思います。ですので、会話の練習を通じて、暗示的に仮定法を学ばせます(使わせます)。その後に、明示的に「型」[仮定法過去:If+S1+V1(過去形), S2+助動詞(過去形)+V2(原形)]を教えます。

 先に「型」を教えるという手もありますが、中には拒絶反応を示す生徒もいますので、「型」を明示的に教えるのは、exerciseの後の方がいいと思います。

 仮定法には、もう一つ「仮定法過去完了」(If+S1+had+V1pp, S2+助動詞(過去形)+have+V2pp)もありますが、教え方は「仮定法過去」と同じで、Implicit instructionからExplicit instructionへの流れです。

 「オンライン英語教室のUB English」の「Teacher trainingコース」では、「仮定法」を始め、文法項目ごとのアプローチの仕方をteacher trainerと一緒に考えながら、授業計画を作成していきます。ご興味ある英語教師の先生方、まずはお気軽にお問合せ下さい。