「公開授業」の見学が役に立たない理由


 中学や高校では、「公開授業」が定期的に行われ、他の先生の授業を見学できます。他の先生は、どんな教え方をしているのか。教員なら誰しも気になるところです。ですので、公開授業は、それを知る良い機会になり得ます。

 ただ、これまで現役英語教員の先生方に伺った限りでは、公開授業で他の先生の授業を見学したことで、自分の授業運営の役に立ったと考える先生は少数です。何故、公開授業で他の先生の授業を見学することが、あまり役に立たないのか。ポイントは2点あります。

 一つは、「キャラクターの違い」です。例えば、普段、真面目に英文法の解説などを行っている先生が、ゲームやアクティビティを多く採り入れ、授業でテンション高めに振る舞っている先生の授業を見学しても、「ちょっと違うな」と感じることでしょう。

 もっとも、普段、自分の授業ではやっていない演習や活動を見て、「なるほど、そういう方法があるのか!」といった新たな発見が得られることもあります。ただ、授業は全体の構成が重要なので、ある特定の演習や活動を部分的に採り入れても、うまく適合しません。

 次に「哲学の違い」です。英語の授業(他の科目も同じですが)には、「これが正解!」というものは存在しません。例えば、「コミュニカティブ重視」の授業が「正解」で「文法訳読式」が「不正解」というものではありません。単純にスタイルの違いです。

 また、文法の指導一つをとっても、対象となる文法項目をexplicitly「明示的」に教えるか、implicitly「暗示的」に教えるかで、アプローチの仕方が大きく違ってきます。これも、「どちらが正しいか」ではなく、「どちらを良しとするか」といった哲学の違いです。

 このように、同じ英語教師であっても、キャラクターや哲学の違いから、授業の進め方は大きく異なります。これが「公開授業を見学しても、あまり役に立たない」と多くの先生が感じてしまう理由です。

 では、自分の授業をより良くするには、どうすればいいのか。それはやはり、公開授業で他の先生の授業を見て、教え方を参考にしようとするのではなく、あくまでも自分の授業にフォーカスすることです。

 「オンライン英語教室のUB English」の「Teacher trainingコース」では、先生のキャラクターや哲学を考慮した上での授業運営の改善をお手伝い致します。その方が公開授業を見学するより、先生の「授業力アップ」に直接役立ちます。お気軽にお問合せ下さい。