学習塾や英会話スクールにとっての「財産」は何かと問われると、それはやはり「人」ということになるのではないでしょうか。「人」とりわけ「講師」です。講師こそ、現場の最前線で生徒に接するだけに、講師の良し悪しがスクールの評判に直接関わってきます。
それ故、「良い講師」を採れるかどうかは、スクールの経営を左右すると言っても過言ではありません。実際、私自身、かつて首都圏で１２年間、英語・英会話スクールを５店舗経営していたのですが、英語講師の採用は、大きな課題の一つでした。
特に、私の場合、大きな母体がバックに付いている訳ではなく、あくまでも個人経営のスクールでしたので、採用や育成が必ずしもシステム化されていた訳ではありません。また、人材育成にかけられる時間や費用にも限りがありました。
恐らく多くの中小規模のスクールは、似たような悩みをお持ちではないかと思います。育成に時間と手間をかけられない。となると、採用に注力しなくてはなりません。
もっとも、「採用に注力する」とは申しましても、かつての私がそうであったように、実績のある有能な英語講師を獲得するのは、容易なことではありません。そもそも、そんな講師は引っ張りだこで、労働市場に出てくることは滅多にありませんが。
仮に、そういった講師が応募してきたとしても、雇うには相応のギャラが発生します。そうなると、人件費の負担が増えることから、スクールの経営を圧迫することになります。だから、それはしたくない。となると、未経験者か経験の浅い講師を採らねばなりません。
しかし、先にも述べたように、中小規模のスクールは、人材育成に多くの時間とコストをかけている余裕はありません。中小規模のスクールにとって、「人材は育てるものではなく育つもの」と考えるべきでしょう。
とはいえ、何もせず勝手に育つ訳ではありません。英語講師としての「筋」がなければ育ちません。だからこそ、面接の段階で、「筋」があるかどうかを見極める必要があります。
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