英語の「知る」は「know」だけじゃない!


 生徒が書いた英文エッセイを添削していると、「know」の誤用を指摘することが、よくあります。そこで、本項では、「know」が持つ概念と使い方、および「know」以外の「知る」の意味を持つ英語の動詞について、解説したいと思います。

 まず、「know」の誤用で多いのが、「~だとわかった」という意味で「know」(厳密には過去形のknew)を使っているケースです。例えば、By taking the lecture, I knew that the amount of carbon dioxide emissions should be reduced.(その講義を受けたことで、二酸化炭素の排出量を減らすべきだということがわかった)といった文。

 この文を生徒に訳させると、「わかった」の部分を「知った」と訳す生徒が多いのです。「知った」だから「知る」の過去形を使えばいい。だから、knowの過去形のknewを使う。

 気持ちはわかりますが、ここは「know」の持つ概念を理解する必要があります。「know」は「知る」(=知識を得る)といった「動作」ではなく、「知っている」という「状態」を表す動詞なのです。

 ですので、「知った」というのは、「知識を得た」ということなので、「動作」にあたります。「know」は「動作」を表す動詞ではないので、別の動詞を用いる必要があります。「知る」(=知識を得る)を意味する最も適切な「動作動詞」は、「learn」です。

 「learn」と言うと、「学ぶ」、「習う」といった意味で、「勉強する」の「study」に近いと思っている方も多いと思いますが、それだけではなく、「知る」や「聞く」といった意味で用いることも多い動詞です。

 ですので、先に挙げた例文では、「knew」ではなく「learned」が相応しいと言えます。「knew」だと「知っていた」という意味になります。ですので、「講義を受ける前から(すでに)~だということを知っていた」という意味なら「knew」を使います(Before I took the lecture, I (already) knew that ~)。

 まとめますと、「know」は「知っている」という意味の「状態動詞」であるのに対し、「learn」は「知る(わかる)」という意味の「動作動詞」です。この違いを覚えておきましょう。

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