日本人英語教師による英語の授業において、英文法の指導は欠かせません。その際、適切な例文を出してあげると、生徒の理解の助けとなります。
「わかりやすい授業」を展開する上で、如何に良い例文を出せるか。ここは、英語教師の腕の見せ所でもあります。
さて、今日取り上げる文法項目は「過去完了形」です。生徒が習熟に苦労する文法項目の一つと言えます。
「過去完了形」のことを「大過去」と言ったりもします。つまり、過去の2つの事柄があって、そのうちの古い方を指すもの。それが、「過去完了形」です。
「過去完了形」の定義としては、確かにそうなのですが、これだけだと生徒はイメージが沸かないでしょう。
そこで、例文が必要になります。さぁ、先生なら、どんな例文を出しますか?状況設定と併せて、お考え下さい。
では、以下に例を挙げます。
(状況設定)
AとBは会社の同僚(但し、部署は別)。Aが昼ご飯を食べに会社の食堂へ出向くと、今日ニューヨークへ出張のはずのB(=John)がそこで食事をしていた。
(例文)
A: Hey, John. What are you doing here? You are supposed to be in New York now.
B: Actually, I missed the flight this morning due to a heavy traffic. By the time I arrived at the airport, the flight to New York had already gone.
(訳文)
A: やぁ、ジョン。こんなところで何してるの?ニューヨークに行ってるはずでしょ。
B: いや実は今朝、ひどい渋滞で、便に乗り遅れたんだよ。空港に到着した時には、ニューヨーク行きの便はもう出てしまってたんだ。
やや長めの例文ではありますが、これぐらいの会話になっていた方が、生徒は状況をつかみやすいのではないでしょうか。By the time~の文をだけ出すよりも。
上記の例文にもあるように、「過去完了形」は、By the time~の文で用いることが多く、「過去完了形」の例文としては、定番中の定番です。
ですので、「過去完了形」を教える時は、この「型」を覚えさせるべきでしょう。
<過去完了形の型>
By the time S1 V1p, S2 had already V2pp.
「S1がV1した時には、S2は既にV2してしまっていた」。
(*p=past「過去形」、pp=past participle「過去分詞形」)
上記で挙げたように、明確な状況設定を挙げた上で、ターゲットとする文法項目の例文を出すと、生徒は使う場面をイメージしやすく、「わかりやすい」と感じるはずです。その上で、「型」を教え、それを覚えさせる。これが、文法指導の要諦と言えましょう。
「状況設定+例文出し」をセットで行う。しかも、できるだけ瞬時に。これには、相応のトレーニングが必要です。
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