40~50代の英語学習法③(ライティングのすすめ)


 今の40~50代の方が中高生の頃、日本の英語教育は、いわゆる「受験英語」で、長文読解がメインでした。

 つまり、英語4技能(読む、書く、聞く、話す)のうちの1つの技能に偏っていた、ということです。

 その教育内容のせいで、「英語を読めるけど書けない(あるいは聞けない、話せない)」という人を増殖することになりました。

 これは、大学入試の内容が読解中心だったため、必然的に、中学や高校の英語の授業も、読解をメインに扱うことになったからです。

 ですので、今の40~50代の方が学生の頃は、読解に偏った英語学習をせざるを得なかった訳です。

 しかし、今、40~50代の方が、改めて英語を学び直すのであれば、学生の頃と同じスタイルで英語を学ぶ必要はありません。

 むしろ、せっかくですから、英語4技能をバランス良く強化した方がいいのではないでしょうか。

 とはいえ、久々英語に取り組むという時に、いきなりネイティブ講師との英会話に臨んでも、会話が弾まず、時間が無駄になってしまうかもしれません。

 そこで、まずは「書く」練習をしてみる。ライティングを通じて、語彙力、文法力など、英語力をブラッシュアップさせるのです。

 例えば、essay(小論文)を書いてみる。学生時代、あまりそういった機会がなかったので、「新鮮に感じる」という方が少なくありません。

 英文を書くことによって、語彙力や文法力が強化されます。書きたいことをまず、日本語で考える。そして、それを英語に直す。

 この時、「〇〇って、英語で何て言うんだっけ?」と考える。ここで、知っている単語をフル活用しようとします。

 それでも、ぴったりの単語や表現が思いつかないことがあります。この時、和英辞典を引いて、英単語を調べます。

 和英辞典を引くと、自分の知っている英単語が載っていることがよくあります。「何だ、こんな簡単な単語でよかったのか」と思うことがしばしばです。

 では何故、その「こんな簡単な単語」が思いつかなかったのか。それは、その単語が「知識語彙」だったからです。

 ひとくちに「語彙力」と申しましても、大きくは二通りに分かれます。一つは、先に述べた「知識語彙」で、もう一つは「使用語彙」です。

 「知識語彙」とは、文字通り、意味を知っている単語のことです。一方、「使用語彙」はと言うと、意味を知っているだけでなく、実際に使いこなせる単語を指します。

 今の40~50代の方の多くが、学生時代、「読解偏重」の英語教育を受けてきました。よって、「知識語彙」と「使用語彙」との差が大きいのです。

 端的に言うと、意味を知っている単語は多いけれども、使いこなせる単語が少ない、ということです。

 その結果、「書きたいことがあっても、瞬時に単語が思いつかない」といった現象が起きるのです。

 では、「使用語彙」を増やすには、どうすればいいのか。これはやはり「使う」機会を増やすのが一番です。

 では、どうやって、使う機会を増やすのか。最も有効な方法は、やはり「書く」機会を増やすことです。

 色んな話題のessayを書き、「これって英語で何て言うんだっけ?」という場面に何度も遭遇する。

 そして、頭を捻って、どうにか知っている単語を駆使し、英文を書き上げる。そして、その書いた英文を第三者(英語教育のプロ)に見てもらう。

 あるいは、どうしても思いつかない場合は、和英辞典を使う。そうして、どうにかessayを書き上げて、添削をしてもらう。

 そうすると、「ここは、Aという単語より、Bという単語の方が自然ですよ」などと、新たな表現方法を教わることができます。

 この時に教わったことは、記憶に残りやすいのです。何故なら、自分が真に書きたかったことだからです。

 つまり、それだけ必然性(および必要性)が高かったものなので、教わった際、吸収が良くなる、ということです。

 昨日のブログで、『単語を覚えるには「この単語は自分にとって必要だ!」と強く感じることが大事だ』と述べました。

 これは、長文読解の際、本文中に何度も登場する単語の意味がわからない時に、満を持して英和辞典を引くと、その意味は記憶に残りやすい、というものでした。

 「書く」という行為においても、同様のことが言えます。書きたいことがあり、それを英語で何と言うか、と考える。

 それを考えるということは、つまり、その英単語が、それだけ必要だということです。必要度が高まったものであるだけに、その英単語(や表現)は記憶に残りやすいのです。

 40~50代の方が「英語をやろう!」という時は、「読む」ことだけにこだわらず、「書く」練習をすることをお薦めします。

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