英語教師の悩み相談1(Q:授業スタイルを変えたいのですが、どうすればいいですか?)


 「授業での生徒の反応が鈍い」とか、「生徒の成績が芳しくない」、或いは「(先生自身が)今の授業スタイルに飽きてきている」などの理由から、「英語の授業スタイルを変えたい!」と思うこと、ありますよね?そんな時、英語教師はどうすればいいのか。

 これについて、Teacher trainer(英語教員指導者)としての私の見解は、「急激なモデルチェンジはすべきではない」というものです。何故なら、急な変更は、生徒を混乱させてしまう恐れがあるからです。

 例えば、これまで「コミュニカティブ重視」の授業スタイルでやってこられた先生が、ある日突然、「文法重視」の授業を始めたら、生徒は戸惑うはずです。

 もっとも、「英語の授業スタイルを変えたい!」と英語教師の先生が思うのには、何等かの訳があるはずです。例えば、生徒に、英語の総合力を問う実力テストを課したところ、文法問題の正答率が悪かった、などです。

 この時、「やっぱり、コミュニカティブ重視でやってきたのがいけなかったんだ!」と考え、「よ~し、これからはもっときちんと文法を教えねば!」と思い立つ。これ、お気持ちは大変よくわかりますが、ちょっとここは冷静になる必要があるように思います。

 「コミュニカティブ重視」から「文法重視」へと、いきなり180度、授業スタイルを変えるのではなく、これまでのやり方を維持しつつ、弱点を補う方法を模索すべきです。

 確かに、「文法を理解させる」という点は、「コミュニカティブ重視」の授業の一つの弱点ではあります。だからと言って、「コミュニカティブ重視」の授業を完全に破棄してしまうとなると、「コミュニカティブ重視」の良かった面を捨てることにもなります。

 ですので、例えば、これまでは「英語のみ」で授業をし、文法の説明にほとんど時間を割いていなかったのであれば、少し日本語で文法を解説するコーナーを設けるのも一法です。そうすることで、感覚でしかつかめていなかった文法項目がクリアになるかもしれません。

 そうして、文法を正しく理解することは、英語でのコミュニケーション能力を磨く上で、決して邪魔にはなりません。むしろ、「コミュニカティブ重視」の授業の不足を補うことになり、生徒の英語力の引き上げに寄与するものとなるはずです。

 逆もまた然りです。これまで「文法重視」の授業スタイルでやってきた英語教師の先生が、「もっと会話力も身に着けさせなくては!」と思って、いきなり「コミュニカティブ重視」の授業にスタイルを変えると、生徒は戸惑うでしょう。

 ですので、例えば、文法項目を解説し、英作文などの問題を解かせた後、その文法項目を使った会話の練習をペアでやらせるなどの時間を少し取るのも一策です。これにより生徒は習ったことを活かす場面を想像でき、文法項目の理解がより深まることもあります。

 このように、「英語の授業スタイルを変えたい!」と思った時には、いきなりガラッと変えてしまうのではなく、これまでの授業に欠けていた部分を補うようなエクササイズを採り入れた方が、混乱がなく、スムーズに授業を進められるはずです。

 もし、どうしても英語の授業スタイルをドラスティックに変えたいというなら、新学期や新年度が始まる時に行うのが得策です。学期や年度の途中ではなく。

 英語の授業スタイルを大幅に変更する時はもちろん、マイナーチェンジであったとしても、これまでやっていなかったことを授業で採り入れるのは、英語教師としては、とても勇気の要ることです。

 本番の授業で新しいことを採り入れる前に、一度試してみたい。そして、できれば、第三者の立場からフィードバックをもらいたい。こう思う英語教師の先生方は、どうぞお気軽にお問合せ下さい。

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 そして、Teacher trainerがプロの視点でのフィードバックをご提供いたします。これにより、自信を持って、次の授業に臨んで頂けます。レッスン内容に関する詳しいご相談は、「無料個別カウンセリング」にて承っております。

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