「TOEIC満点」にこだわる意味とは?


 TOEIC満点(990点)まであと一歩というところで足踏みが続いている。特に、950点を超えてから、980点に達するまでの間は、わずか数問のミスがなかなか減らず、もどかしい思いを経験する人が多いのではないでしょうか。

 この間は、「生みの苦しみ」と言いますか、やっても、やっても、なかなか結果が出ず、苦労する時期だと思います。かく云う私も、この時は、本当に苦しい思いをしました。

 700点台後半から800点台前半の頃は、900点が大目標だと思います。そして、その大目標をクリアすると、今度は「できれば満点を獲りたい!」という思いが芽生えます。

 そして、950点に到達すると、いよいよその思いが現実味を帯びてきます。「ここまで来たら、何としても満点を獲りたい!」という強い思いへと変わるのです。本当の苦労は、ここから始まります。何故なら、引くに引けない状況に陥ってしまうからです。

 「もう、自分は950点も獲れたから十分だ」と言って潔く引くことができれば、むしろ幸せかもしれません。

 ここで、「何としても満点を!」と思ってしまうと、もう、やるしかありません。「せっかく、ここまで来たのだから」という思いも手伝って、引けなくなってしまうのです。

 950点に達した人が990点を目指す。正直、学習効率という観点で言うと、これほど学習効率の悪いものはありません。わずか数問の正答を上積むために、途方もない時間と労力をかけるのですから。

 例えば、スコアが975点の場合、誤答は2問程度だと思われます。全200問中、わずか2問。誤答率は、たったの1%です。TOEICで満点を狙うということは、この1%のために、たいへんなエネルギーを消費しなくてはならない、ということなのです。

 これが果たして得策かどうか。ここは、よく吟味し、検討すべきだと思います。そうでないと、時間と労力の無駄になってしまうからです。

 私の場合は、「TOEIC対策」を頻繁に担当する英語講師として、「箔を付ける」という目的もあったので、「TOEIC満点奪取」のために注いだ時間とエネルギーは、大きな無駄ではなかったように思います。

 しかし、英語を特に生業としていない方であれば、必ずしも満点に拘る必要はないのかもしれません。例えば、「仕事で英語が必要」ということであったとしても、TOEICで950点を獲る実力があれば、十分だろうと思います。

 950点だと色々と不自由することがあって、それが990点を獲れるようになった瞬間、全てがクリアになる、といったことは、まずないでしょう。また周囲も、950点も持っていれば、十分「英語ができる人」として、認めてくれるはずです。

 つまり、こういう方にとって、TOEICで満点奪取を狙うというのは、自己満足の世界なのだろうと思います。実務上のメリット云々ではなく。先にも述べたように、「せっかくここまで来たのだから、頂点に登り詰めないと気が済まない!」といった思いからです。

 そのためなら、大量の時間と労力をかけることを厭わない。こういった覚悟がお有りでしたら、ぜひ、それ(990点)を目指して頑張って頂きたいと思います。

 苦労して、苦労して、ようやく頂に届いた。この時の喜びや満足感は確かに格別です。私は登山家ではありませんが、登山が好きな人は、恐らくその喜びを得たくて、苦労して山登りをされるのだろうと思います。

 登山に興味のない人からすると、「何故、そんな大変な思いをしてまで、登頂にこだわるの?」という思いでしょうけど、登頂を目指して山登りを続ける本人には、それをやる意味があるのです。

 TOEICもこれと同じです。一般に「TOEIC950点」というと、「かなり英語ができる人」という評価です。そして、950点も、990点も、世間一般の評価は、それほど大きくは変わりません。

 それでも、当の本人からすると、950点と990点では、意味合いが大きく違います。「登頂に成功した人」(990点)と「登頂寸前まで行った人」(950点)とでは、全然違う。そう思えてしまうのです。そのお気持ちは、非常によくわかります。現に私自身、「登頂寸前まで行った人」では、納得できなかった。だからこそ、満点に拘り続けたのです。

 ですので私は、私と同じ思いを持ち、今、残り1%を埋めるために頑張っておられる方をサポートしたいという思いを持っています。今回、出版することになった『TOEICで満点を獲るための語彙問題集・厳選100問』(本日[2020年9月20日]、Amazon Kindleにて予約注文の受付開始!)も、そんな思いから作ったものです。是非、ご活用下さい。

 また、あと一歩がなかなか進まず、一人で頑張ることに限界を感じているという方には、私が運営する「オンライン英語教室のUB English」の「TOEIC対策」にて、マンツーマンでのサポート(レッスン+学習補助)を行っておりますので、お気軽にお問合せ下さい。レッスン内容に関する詳しいご相談は、「無料個別カウンセリング」にて承っております。