「自動詞」と「他動詞」を生徒に区別させる方法


 前項(『英文法を教える時、文法用語を使うべきか?(「自動詞」&「他動詞」について)』では、「自動詞」、「他動詞」という文法用語を持ち出すタイミングについて触れましたが、そのあと更に、そのtermのネーミングを説明してあげるといいでしょう。

 例えば、『もし僕がいきなり、「私は毎朝読みます」って言ったら、みんなは「何を?」って思うよね。つまり、「読む」という動詞は「何を」に相当する語句がないと文が作れない動詞なんだよね』と。

 続けて、『例えば「新聞を」とか、「本を」という語句が必要なんだよね』と。『「私は毎朝新聞を読みます」だったら自然な文でしょ?』と。『これは英語も同じで、I read every morning.というのは不完全な文。I read a newspaper every morning.ならOKだね』と。

 更に、『つまり、「~を読む」っていう意味の「read」は、「~を」という語句に依存する(頼る)動詞なんだね。他の語句に依存する動詞だから「他動詞」って言うんだ』と。こう説明した後、続けて『それに対して、「走る」という動詞はどうかな?』と。

 もし僕が「私は毎朝走ります」と言うとどう?別におかしくないよね。つまり、「走る」という動詞は、「~を」に当たる語句がなくても、自力で文を作れる動詞なんだ。だから、「走る」っていう意味の動詞「run」は「自動詞」って言うんだよ』と。

 他の語句に依存しなくては文が作れない動詞を「他動詞」、自力で文を作れる動詞を「自動詞」と呼ぶ。こうして、文法用語のネーミングを説明すると、理解が得やすく、生徒の記憶の助けになるはずです。

 「自動詞」、「他動詞」というのは、英語特有のものではなく、日本語にも存在します。ですので、迷った時には、ターゲットとする動詞を使って、日本語で文を作ってみることを薦めるといいでしょう。

 例えば、「use」という動詞が、「自動詞」か「他動詞」かで、生徒が迷ったとします。その際、日本語の「使う」という動詞を使って、日本語で文を作らせます。例えば、「私はいつも仕事で使います」という文。

 これを聞いた人は、「何を?」と思うでしょう。つまり、useは「他動詞」ということです。普段、意識はしていませんが、日本語にも自動詞と他動詞は存在します。ですので、生徒が、英語の動詞が自動詞か他動詞かで迷った時は、日本語で文を作らせるといいでしょう。

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