「異文化コミュニケーション」において必要なものとは?


 昨今、自動翻訳機が目覚ましい進化を遂げています。自分の発した言葉を一瞬で複数の異なる言語に翻訳し、文字に起こしてくれるものまで、商品化されています。まさに「言葉の壁」を超えることのできる、画期的な技術革新と言えるのかもしれません。

 こうなると、「英語を学ぶ必要、なくなるんじゃないの?」と思う方もおられるかもしれません。確かに、自動翻訳機の性能が上がり、変なタイムラグもなく、訳されるのであれば、「異文化コミュニケーション」の際、それを使えばいいじゃないかということになります。

 そうなると、「異文化コミュニケーション」において、より重要となるのは、「話の中身」です。相手に伝えたいこと、つまり「アイデア」が浮かぶかどうかがポイントです。自動翻訳機は、あくまでも言語を変換するためのツールにすぎません。肝心の中身がなければ、せっかくの自動翻訳機も宝の持ち腐れになってしまいます。

 また、「異文化コミュニケーション」では、同じ文化を共有する者同士の会話と比べて、より論理的な思考と論法が重要になります。例えば、日本人同士なら、1から10まで言わなくても、何となく通じてしまうことがあります。しかし「異文化コミュニケーション」においては、そうはいきません。論理的に、順序立てて、意見を述べる必要があります。

 例えば、AとBのどちらがいいかを問われた時、まず、自身のスタンスをはっきりと表明することが求められます。「私はBよりもAの方がいいと思います!」といった具合に。そして、「その理由は3つあります」と言って、相手の関心をこちらに引き寄せます。

 次に、「一つは、〇〇だからです」と、理由(根拠)を表明します。そして、相手によりわかりやすく伝える目的で、具体的な例を挙げます。「例えば、△△といったことがあります」と。こうして、論理的に述べると、相手の納得を得やすいですし、また相手がこちらに興味を持ってくれるようにもなるでしょう。

 だからこそ、相手とのコミュニケーション、とりわけ「異文化コミュニケーション」においては、しっかりとした「アイデア」を出すことが非常に重要です。ですので、「異文化コミュニケーション」を図るために、英語を学んでいる方には、英語という「言語」を学ぶことに加えて、「アイデア」を出すトレーニングを同時に行うことを薦めます。

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