ライティングテスト対策(2) <「アイデア出し」のトレーニング>


 英検やTOEFL、IELTSなどの英語資格試験で、ライティングを苦手とする人が少なくありません。実際、私共が運営する「オンライン英語教室のUB English」に相談に来られる方で、「苦手なライティングをどうにかしたい!」という方が、結構おられます。

 ライティングを苦手とする方に多い悩みが、「筆が走らず、制限時間内に、規定のワード数を書き切れずに終わってしまう」というものです。何故、こうなってしまうのか。本項では、その理由と対策を論じてみたいと思います。

 一番の大きな理由は「アイデアが浮かばない」ことです。どれだけ高い英語力を有していても、そもそも書くことが思い浮かばなければ、書きようがありません。

 ですので、苦手なライティングを克服するには、「アイデア出し」のトレーニングをしなくてはなりません。英検、TOEFL(Question 2)、IELTS(Task 2)に共通するのが、あるテーマに対して、agree or disagree「賛成か、反対か」を問うものです。

 この時、賛成なら賛成、反対なら反対で、スタンスを決め、その理由を2つ、ないし3つ挙げる必要があります。ライティングテスト冒頭の「アイデア出し」の時間で、如何に素早くその理由を挙げるかが、ライティング成功の鍵を握ります。

 できれば、1 reason per minute「1分につき1つの理由」を挙げたいところです。ですので、3つ理由を挙げる必要があるなら、冒頭の3分で「アイデア出し」を済ませます。

 ライティングのテーマとしては、意見が二分するような社会問題などが、よく扱われます。例えば、前項の『ライティングテスト対策1 <英文エッセイの構成の基本>』で取り上げた「消費税」についての議論などは、その一つです。

 「消費税を上げるべきかどうか?」というテーマで、賛成なら「年金などの福祉制度を充実させる必要があるから」といったことが考えられます。一方、反対なら「経済に悪影響を及ぼす」といったことが挙げられます。

 こういった「アイデア出し」のトレーニングは、英検、TOEFL、IELTSの問題集(過去問や予想問題集など)を活用するのもありですが、できれば、ライティングの実践練習にとっておきたいところです。

 むしろ、「アイデア出し」のトレーニングが目的であれば、必ずしも本番形式の問題にこだわる必要はありません。例えば、今、議論を呼んでいる話題を新聞などから拾って、賛成、反対、それぞれの理由を考えるのもありです。

 その際、できれば時間を計って「アイデア出し」のトレーニングに取り組むといいでしょう。と言うのも、実際のライティングテストでは、必ず時間制限があるからです。また、レポートや論文であっても、提出期限があるので、時間はやはり有限です。

 ですので、「時間無制限」で、ゆっくり考えるのではなく、ある程度のタイムプレッシャーをかけながら、頭を捻って、アイデアを出すことが肝要です。

 また、テーマによっては、知識が不足しているために、アイデアが浮かばないということもあります。その場合は、新聞記事を読んだり、インターネットで検索したりして、情報をインプットするようにしましょう。ライティングテスト対策を通じて、色んなテーマの知識が増えれば、まさに一石二鳥ですね。

 尚、「アイデア出し」の段階では、必ずしも英語で行う必要はありません。むしろ、母語である日本語の方が思考はしやすいはずです。もちろん、その場合は、後で英訳する必要がありますが、まずは「アイデア出し」に集中しましょう。

 こうした「アイデア出し」のトレーニングを行って、本番のライティングテストに臨むのと、何もせずに試験会場に行くのとでは、大違いです。特に「ライティングが苦手」という方にとっては、日頃の「アイデア出し」のトレーニングが有効に機能するはずです。

 「オンライン英語教室のUB English」の「英文ライティング添削」では、英文を書く以前に、あるテーマに対して、素早く有効なアイデアを出せるよう、サポートしております。「苦手なライティングをどうにかしたい!」という方、まずはお気軽にお問合せ下さい。