「エール」は和製英語?


 先日、「基本英会話」のレッスン中、生徒が「応援する」という英語が出てこず、「何て言えばいいですか?」と質問を受けました。そこで私が「たぶん知っている英単語だと思いますよ。何か思いつきませんか?」と尋ねると、その生徒は「え~っと。エールですか?」と。

 「エール」。ちょうど今、NHKの朝ドラのタイトルになっている語です。これは、応援歌を始め、数多くの名曲を作った作曲家の古関裕而さんの人生を描いたドラマです。応援歌を作った作曲家ということから、「エール」というタイトルが付いたのだと思います。

 「エール」は、英語由来のカタカナ語です。英語では「yell」と綴り、発音は/jel/(イェオ)。第二義で「(スポーツの応援で一斉に)エールを送る」という意味がありますが、第一義は「(~に向かって)大声で叫ぶ、どなる」です。

 第二義に「応援」という意味合いが含まれることから、「エール」は、完全な和製英とも言えませんが、日本語で普段使う「応援(する)」という意味とは、若干ずれています。

 では、日本語で普段使う「応援する」に相当する英語は何か。例えば、球場でファンがひいきのチームを応援する(=「声援を送る」)という場合は、「cheer」が適当です。この「cheer」は「チアリーダー」の「チア」です。

 「cheer」は、「応援する(声援を送る)」の他、「(人)を元気づける、励ます」といった意味もあります。例えば、Let’s visit John to cheer him up. 「Johnを元気づけるために訪問しよう」といった具合です。

 この他、友人や知人に対して、「君のこと、応援してるよ!」といった意味での「応援する」に相当する英語は、「support」や「root for」です。先の「君のこと、応援してるよ」は「I’m rooting for you.」と言うことができます。

 「君のこと、応援してるよ」と言いたくて、I’m yelling at you. と言うと、「私はあなたに向かって大声で叫んでいる」という意味になってしまいます。このように「yell」は、どちらかと言うと、ネガティブな意味を持つ動詞なので、使い方には注意が必要です。

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