関係詞の「制限用法」と「非制限用法」の違い


 生徒が書いた英文エッセイを添削していますと、関係詞の後、カンマを打つべき時に打っていなかったり、逆に打つ必要のない時に打ってあったりと、「制限用法」と「非制限用法」の混同がしばしば見られます。そこで本項では、この違いを論じてみたいと思います。

 一つ例文を挙げます。Last summer I went to Cape Soya, which is at the northernmost point of Japan.「昨年の夏、私は日本の最北の地にある宗谷岬へ行きました」という文。この文には、「which」という関係代名詞が使われています。

 さて、このwhichの前にカンマが要るかどうか。正解は「カンマが必要」、つまりは「非制限用法」です。何故か。それは、which以下が、Cape Soya(宗谷岬)の「補足説明」だからです。この文では、which以下が無くても、文は成り立ちます。

 では、次の文はどうか。Around Cape Soya there is a souvenir shop which sells some local products.「宗谷岬の周辺に、地元の商品を売る土産物店があります」。さて、関係代名詞のwhichの前にカンマが要るかどうか。正解は「カンマ不要」、つまりは「制限用法」です。何故か。これは、which以下が「必須情報」だからです。which以下を省略すると、文意が伝わらなくなるということです。

 「宗谷岬の周辺に土産物店がある」だけだと、どんな土産物店なのかがわかりません。ここでは「地元の商品を売る」というのが重要な情報なので、省略できません。だから、関係代名詞whichの前にはカンマを打たないのです。

 では、次の文はどうか。I sometimes have lunch at Burger Queen (     ) is a fast-food restaurant.【1. which   2. , which】。正解は、2の「, which」です。何故なら、空所以下の情報は、Burger Queenの「補足説明」だからです。文意は「私は、ファストフード店であるBurger Queenで、時々昼食を摂ります」です。

 では、次の文はどうか。I sometimes have lunch at a fast-food restaurant (     ) is popular with local customers. 【1. which   2. , which】。正解は、1の「which」です。何故なら、空所以下の情報は、「必須情報」だからです。文意は、「私は、地元客に人気のファストフード店で、時々昼食を摂ります」です。

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