過去単純形と過去完了形の違い


 英文法の指導をしていますと、「過去単純形」(=普通の過去形)と「過去完了形」を混同する生徒さんが少なくありません。

 例えば、「私は1993年から1996年までシアトルにいました」という文。これを英語にすると、どうなるか。以下に2つの選択肢を設けます。

①I was in Seattle from 1993 to 1996.

②I had been in Seattle from 1993 to 1996.

 この2つの文。①は「過去単純形」で、②は「過去完了形」です。さて、どっちが正しいか。

 これ、正解は①です。しかし、この問題を出した際、②を選ぶ生徒さんが少なくありません。

 なぜ、②を選びたくなるのか。これは恐らく文末に「from 1993 to 1996」とあるからだろうと思います。

 つまり、「1993年から1996年まで」という「期間」を表す語句があるので「過去完了形」にしたくなる、ということです。

 確かに「現在完了形」では、よく文末に期間を表す語句を伴います。例えば、I have been in Seattle for three days.「私は3年間、シアトルに滞在しています」といった文です。

 これに引っ張られて、上記の文でも、つい「過去完了形」の文を選んでしまうのだろうと思います。しかし、「過去完了形」を用いるには、もう一つ別の過去の事柄が必要です。

 例えば、I had been in Seattle for three years when I was transferred to the branch in Boston in 1996. といった文です。

 この文の意味は、「私は1996年にボストン支店へ転勤になった時点で、3年間、シアトルに滞在していました」です。

 このように、「過去のある時点までに、ある一定期間、何かをしていた」といった時に「過去完了形」を用います。

 しかし、冒頭の文にある「from 1993 to 1996」(1993年から1996年まで)というのは、過去の一時点と見なします。

 よって、「過去完了形」ではなく「過去単純形」で表します。つまり、動詞は、had beenではなくwasにする、ということです。

 如何でしたか?「過去単純形」と「過去完了形」の違い、ご理解頂けましたか?

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