英語教師Q&A⑤(授業が予定通りに終わらない―どうすればいいのか?)


 今週、当ブログでは、現役英語教師の先生方、および英語教師になりたいという方からお寄せ頂いたご質問への回答を載せております。

Q: 授業がいつも時間を少しオーバーしてしまいます。予定の量をこなせません。もっとスムーズに授業を進めるにはどうすればいいか、教えて下さい(中学英語教師2年目)。

A: 私はいつも、受講生(現役英語教師の先生方および英語教員志望の方々)の方々に言うのは、「授業は生き物」であるということです。

 よって、予定通りに行かないことは、ままあることです。ですので、そのことを想定した上で、授業準備をすべきではないでしょうか。

 では、具体的にどうすればいいのか。まず、授業時間をオーバーしてしまうということは、予定の量が多すぎる可能性があります。

 ですので、授業計画書を今一度見直し、不要な箇所やカットできる箇所がないかどうかを検討してみましょう。

 この他、授業に濃淡をつけることも検討すべきでしょう。例えば、授業計画書に1~5までの項目があるとします。

 これら5つの項目を全て均等に扱うのではなく、重要な箇所とそうでない箇所との色分けをします。

 例えば、5つの項目のうち、1、3、5が重要な箇所で、2、4がそれほど重要ではない箇所だとします。

 その場合、1と3を手厚く扱い、2をサラッと流す。この時点で、授業時間が残り15分しかないとします。

 授業計画の段階で、4を5分、5を15分と想定していたとします。つまり、4と5で合計20分、時間をとる計算です。

 ところが、残り15分しかないとなると、予定通り進めることができません。さぁ、ここでどう判断するか。

 当初の予定に固執すれば、授業時間が5分オーバーすることになります。「5分ぐらいいいじゃないか」と考える先生もおられるかもしれません。

 しかし、私は、基本的には、こうした考えは持つべきではないと思います。たかが5分、されど5分。中学校では通常、休憩時間は10分しかありません。

 授業が5分延びると、休憩時間が5分になってしまいます。その間に、生徒はトイレに行ったり、片付けをしたり、次の授業の準備をしたり、しなくてはなりません。

 そうなると、たいてい、次の授業に支障が出ます。生徒の授業準備が追い付いていないために、授業の冒頭は、ざわざわした雰囲気になります。

 生徒が授業を受ける態勢が整うまでに5~10分程かかってしまう。そうすると、次の授業を担当する先生の予定が狂ってしまいます。

 ですので、基本的には、授業は延長すべきではありません。50分授業なら50分で終わるようにする。これが基本だと思います。

 もっとも、50分ちょうどで終わるのは難しいでしょうから、1分程度、時間が過ぎることは致し方ないかもしれません。

 さて、先程のケースに話を戻します。残り15分で、授業項目の4と5が残っている。この時の判断ですが、思い切って4を割愛して、5だけをやるというのも一策です。

 あるいは、5をやるにはどうしても4が必要だというのであれば、4を2~3分で切り上げて、5を12~13分にする、というのも一法です。

 私も、時間が押してくると、予定していた項目を思い切って削ってしまうことは、よくあります。

 授業計画の段階で、時間配分を綿密に組むことも大事なことではありますが、それ以上に大事なことは、授業中、状況を見ながら判断し、時間調節をうまく行うことです。

 と言うのも、先にも述べたように、「授業は生き物」ですから、想定通りに行かないことは、よくあることです。

 ですので、計画の段階で、時間配分を完璧にすることは、ほぼ不可能です。それよりもむしろ臨機応変に対処する。それが可能なように授業計画を組んでおくことが重要です。

(以上)

 如何でしたか?授業が予定通りに進まない。こういった悩みを抱える英語教師の先生は、決して少なくありません。

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 ご興味お持ちの英語教師の先生方、および英語教員志望の方々、まずはお気軽にお問合せください。

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