「報告」だけじゃない!TOEICで注意が必要な「report」について


 「ところで皆さん、reportの意味をご存知ですか?」。このように聞くと「バカにするな!」とお叱りを受けてしまうかもしれません。

 何故なら、report「レポート」は、すでにカタカナ語として広く浸透しているからです。敢えて日本語に訳すとすれば「報告(書)」となります。

 reportは、名詞で「報告(書)」、動詞で「報告する」という意味を持ちます。これは、私が改めて言うまでもなく、皆さんご存知かと思います。

 では、「報告」以外にはどんな意味があるか。実は英語のreportは「報告」以外にも幾つか意味があります。以下に、TOEICリスニングPart3の会話の用例を挙げます。

A: Who do you work for, Ken?

B: I report directly to Adam Jones.

 この会話文の意味は、A:「Ken, あなたは誰の下で働いているの?」、B:「私はAdam Jonesの直属の部下です」です。

 そう、このreportは「(~の)部下である」という意味です。私は長年、TOEIC対策を担当していますが、授業を受ける前からこれを知っている生徒は、そう多くはありません。

 でも、TOEICでは、ちょくちょく出ます。ですので、TOEICを受ける方は、知っていて損はありません。

 では、先の会話(TOEICリスニングPart3の一部)について、どんな問題が出題されるか。

 例えば、こんな感じです。

Q: Who is Adam Jones?

 この質問の意味は「Adam Jonesは誰ですか?」です。この手の問題が出た時は、会話の中で必ずAdam Jonesという名前が登場します。

 ですので、問題文を先読みし、Adam Jonesという名前が挙がるのを待ちながら、会話文を聞く必要があります。

 そして、先の会話文のBの発言の中に、Adam Jonesが登場しました。ですので、この文が「正答の手がかり」となります。

 先にも述べたように、「I report directly to Adam Jones.」は「私はAdam Jonesの直属の部下です」という意味です。そして、正答の選択肢は、こんな感じです。

A: Ken’s supervisor

 これは、「Kenの上司」という意味です。

 「I report directly to Adam Jones.」の「I」が誰かと言うと、Aの発言(Who do you work for, Ken?)から「Ken」だとわかります。

 そして、その「Ken」が「report directly to Adam Jones」(Adam Jonesの直属の部下)なので、Adam JonesはKen’s supervisor(Kenの上司)ということになります。

 つまり、この問題で正答するには、ここでのreportの意味を知っておく必要がある、ということです。

 ここでもし、「report=報告(する)」という意味しか知らなければ、Bの発言は「Adam Jonesに直接報告する」という意味で受け取ってしまうかもしれません。

 そうすると、「Adam Jones=Kenの上司」とは想起しにくいはずです。つまり、この問題は「語彙問題」だと言えます。

 TOEICは随所に、こうした語彙の知識を問う問題を絡めてきます。ですので、リスニング問題の正答率を高める上でも、語彙力強化が必要です。

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