TOEICの語彙対策で重視すべきこと


 唐突ですが、次の日本語文を英語にしてみて下さい。

「私たちは起業することに興味があります」。

 「起業する」を英語では、「start up a business」と言います。次に「~に興味がある」を英語で何と言うか。

 これは、かつて学校英語で習ったことがあると思います。「be (     ) in ~」です。さて、空所には何が入るか。

 正解は、「interested」です。そう、「be interested in~」で「~に興味がある」という意味になります。

 これ、意外と迷わず答えられた方が多かったのではないでしょうか。では、何故、迷わず答えられたのか。

 それは、学生時代に「be interested in~」という一つの塊で覚えていたからです。つまり、3語を一つのセットにして覚えていた、ということです。

 では、次の問題を解いてみて下さい。TOEICのPart5形式の問題です。

Those (     ) in working overseas should sign up for the upcoming seminar.

 さて、空所には何が入るか。選択肢は以下の通りです。

(A) interest   (B) interested   (C) interesting   (D) interests

 まず、この文の意味は、「海外で働くことに興味がある人たちは、今度のセミナーに登録するべきだ」です。

 選択肢には、「~に興味を持たせる」という意味の他動詞「interest」の派生語が並んでいます。

 ここで修飾の対象となるのは、主語の「Those」です。この「Those」は「People」と同じで「人々」という意味の代名詞です。

 この「人々」が「~に興味がある」ということなので、先に挙げた「be interested in~」を用います。

 よって、正解は、(B) interestedです。但し、この文では、be動詞が省略されています。本来は、関係代名詞の「who」を用いて、「Those who are interested in ~」となります。

 ここでは、関係代名詞の「who」とbe動詞の「are」を省略し、主語の直後に動詞の過去分詞形を置いています。これを「分詞構文」と言います。

 何故、過去分詞形かと言うと、被修飾語である「Those」は「(セミナーに)興味を持たされている側」だからです。「受け身」の意味合いがあるので、過去分詞形になっています。

 いずれにせよ、学校英語で習った「be interested in~」という知識が、この問題の正解を導く上で役に立ったと言えます。

 つまり、何が言いたいかと言うと、「interested」のような形容詞を覚える際、それ単独で覚えるのではなく、be動詞や後の前置詞とセットで覚えることが重要だということです。

 と言うのも、TOEIC(特にPart5または6)において、形容詞(分詞含む)を選ばせる問題では、後に前置詞がヒントになることがままあるからです。

 以下にもう一つ例題を挙げます。

We recommend Ms. Takeda for the job as she is (     ) of dealing with difficult customers.

 空所には、形容詞が入ります。以下に選択肢を挙げます。

(A) able   (B) capable   (C) efficient   (D) skilled

 この文の意味は、「私たちはその仕事に武田さんを推します。何故なら、彼女は難しいお客に対応できるから」です。

 つまり、空所には「~できる」という意味の「能力」を表す形容詞が入ります。この時、意味で解こうとすると、どの選択肢も当てはまりそうに思えます。

 そこで、意味ではなく語法を考えます。その際、ヒントとなるのは、後ろの前置詞「of」です。つまり、「be (     ) of~」の形を取る形容詞が、4つのうちどれかということです。

 このうち、「be (     ) of~」の形を取るのは、(B) capableだけです。「be capable of~」で「~ができる」という意味になります。

 他の選択肢は、(A) ableは「be able to V」(Vできる)、(C) efficientは「be efficient at/in~」(~に有能である)、(D) skilledは「be skilled at/in~」(~に熟達している)です。

 このように、「意味」だけでは解けない問題が、TOEIC(特にPart5または6)では、しばしば出題されます。

 つまり、「語法」の知識を問う問題が出題される、ということです。この対策として、連語の知識が必要となります。

 要するに、「be interested in」のような連語をセットで覚えることが重要だということです。「be capable of」や「be able to V」などもそうです。

 TOEICは、そもそも英語のコミュニケーション能力を測る試験です。よって、単に単語の意味を知っているだけでなく、正しい使い方を知っていることを重視します。

 「capable=できる」とだけ覚えていても、それを正しく使うことはできません。「be capable of」とセットで覚えているからこそ、「capable」という単語を正しく使えます。

 冒頭で挙げた「interested」も同様です。「interested=興味がある」とだけ覚えていても、英会話の場面では使えません。

 「be interested in」とセットで覚えているからこそ、「I’m interested in agricultural business.」(私は農業ビジネスに興味があります)といった文が作れるのです。

 TOEICは、これができるかどうかを測ります。「be capable of」や「be interested in」のようなセットで覚えていれば、「capable」や「interested」は使えるはずだ、と。

 リーディングという受動スキルの能力を測ることで、出力スキルを測ろうとすれば、このような「語法」(語の正しい用法)の知識を問うのが妥当だと言えます。

 ですので、TOEICでスコアを伸ばすには、TOEICのこうした特性を理解した上で、対策を打ち、試験に臨む必要があります。

 今回採り上げた「形容詞」の語法については、「be interested in」や「be capable of」のような3語熟語をセットで覚えるようにしたいものです。

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