60代にお薦めの英語学習法


 22歳で大学を卒業。現在62歳。大学卒業後、かれこれ40年間、英語から遠ざかっている。そんな方が、「英語をやり直したい!」と思った時、どうすればいいのか。

 学生時代に習ったことも、すっかり忘れている。だから、中学英語からやり直すべきだろう。とはいえ、できるだけ早く、英語が使えるようになりたい。

 そして定年後、時間に余裕ができれば、海外旅行やプチ移住も楽しみたい。こんな60代の方が英語をやり直す場合、「復習」と「実践」を兼ねた英語学習法がお薦めです。

 つまり、中学英語のおさらいをしながら、同時に「使える英語」を身に着けていく、という方法です。

 中学英語の「復習」だけに焦点を当てると、「be動詞」、「進行形」、「受動態」・・・というように、文法項目にフォーカスしがちです。

 これは、初めて英語を習う小中学生にとっては、有効な英語学習法と言えます。しかし、時間が経っているとはいえ、60代の方にとって、中学英語は既習の内容です。

 ですので、初めて習う人と同じ方法で学んでいくのは、やや非効率です。むしろ、60代の方には、40年以上前の記憶を呼び覚ますための英語学習法が必要です。

 そこで、先にも述べたように、「復習」と「実践」を同時並行で進めていく英語学習法をお薦めします。

 具体的には、簡単な英会話形式の問題を解き進めながら、その都度、文法項目を拾い上げ、学ぶ(と言うより「思い出す」)というものです。以下に、具体例を挙げます。

A: Do you know (     ) John is?

B: I haven’t seen him this morning, yet.

 さて、この会話文の空所には何が入るか。選択肢は以下の通りです。

(A) what   (B) when   (C) where   (D) whose

 まず、Bの意味を確認しますと、「今朝はまだ、彼(John)を見ていません」という意味です。

 と言うことは、Aの質問は、Johnの所在を尋ねていると考えられます。よって、空所には、所在を尋ねる疑問詞の「where」が入ります。よって、(C)が正解です。

 Aの文の意味は、「Johnがどこにいるかご存知ですか?」です。Do you know~?は「~をご存知ですか?」という意味です。

 では、この会話文に含まれる文法項目を確認していきましょう。まず、Aの文には「where」という疑問詞が使われています。

 この「疑問詞」を使った疑問文は、大きく2通りあります。一つは「疑問詞疑問文」、もう一つは「間接疑問文」です。

 「疑問詞疑問文」とは、疑問詞を文頭に置く疑問文のことです。例えば、「Johnはどこですか?」を英語にすると、「Where is John?」となります。

 「疑問詞疑問文」の特徴は、疑問詞の後の語順が「V(動詞)+S(主語)」となる点にあります。

 例えば、「あの男性は誰ですか?」だと「Who is that man?」、「あなたの誕生日はいつですか?」だと「When is your birthday?」となります。

 いずれも、疑問詞の後、「動詞(is)+主語」という語順になっています。一方、「間接疑問文」はどうか。

 先の会話文で出た「Do you know where John is?」は「間接疑問文」です。「間接疑問文」は、疑問詞が文頭ではなく文中に登場します。

 また、「間接疑問文」のもう一つの特徴は、疑問詞の後の語順が「S(主語)+V(動詞)」となる点です。

 実際、先の例を見ますと、疑問詞「where」の後、John(主語)+is(動詞)という語順になっています。では、以下に、他の例を挙げます。

 「私は彼が誰なのかを知りません」だと「I don’t know who he is.」、「私は彼の誕生日がいつなのかを知りたい」だと「I want to know when his birthday is.」となります。

 いずれも、疑問詞(whoやwhen)が文の途中に登場し、その後、「主語+動詞(is)」という語順になっています。

 では次に、Bの文(I haven’t seen him this morning, yet.)を見てみましょう。この文の時制は「現在完了形」です。

 「現在完了形」は「助動詞have+動詞の過去分詞形」で表します。ここでは「まだ~していない」という意味の「完了用法」です。

 seenは、「~を見る」という意味の動詞「see」の過去分詞形です。seeは、see-saw-seenと活用する不規則変化動詞です。

 文末のyet(副詞)は、否定語のnotとセットで用いて、「まだ~ない」という意味になります。

 如何でしたか?「あっ、そういえば、そんなのあったよなぁ」といった具合でしょうか。これは、記憶を喚起するための「復習」と「実践」を兼ねた英語学習法です。

 これは、「英語をやり直したい!」という60代の方にお薦めの英語学習法です。もちろん、個人差はありますので、状況に合わせて内容や進度をアレンジする必要はあります。

 「オンライン英語教室のUB English」の「中学英語からのやり直し」では、「英語をやり直したい!」という60代の方を対象に、こうした英語学習法を推進しています。

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