50代に最適な英語学習法


 22歳で大学を卒業し、今が52歳だとすれば、学生を終えてから丸30年が経過したことになります。こういった方が、久々に英語に取り組もうという時、どうすればいいのか。

 まずは、中学英語の総復習から始めるのが妥当と言えましょう。中学3年間で習う文法項目を一通りおさらいし、かつて習ったことを思い出すのです。

 では、どうやって「中学英語のやり直し」をすればいいのか。実際に中学校で使われている教科書やワークブックを買ってきて、それらに取り組む。これも一つの方法です。

 ただ、現役の中学生とは違い、今の50代の方にとって、中学英語は既習の内容です。ですので、全く初めて習う中学生と同じ方法や進度で学ぶ必要はありません。

 むしろ、実践を通じて、忘れていた記憶を呼び覚ますという方が、学習効率という観点では、より有効と言えるのではないでしょうか。

 また、その際、単に「英文を読んで理解できる」というところで終わらせるのではなく、どうせなら習ったことを使えるように持っていきたいところです。

 それには、和文英訳が有効です。与えられた日本語文を英語にする。もちろん、最初は簡単な内容から始めます。

 その中から、必要に応じて文法を学び、理解する。こうして、中学英語の総復習をしていく。

 これが、約30年ぶりに英語に取り組む「50代に最適な英語学習法」と言えるのではないでしょうか。

 では、ここでちょっと練習をしてみましょう。以下に日本語で、簡単な会話文を挙げますので、英語にしてみて下さい。

A: 今までにオーロラを見たことがありますか?

B: 一度もありません。でもいつか見てみたいです。

 まず、Aの「~したことがある」というのを英語でどう表現するか。これは、「have + 動詞の過去分詞形」で表します。

 この「have + 動詞の過去分詞形」を文法用語では、「現在完了形(の経験用法)」と言います。これは、中学英語で必ず出て来る文法項目の一つです。

 「見る」という動詞は「see」なので、その過去分詞形の「seen」を使います。「have seen」で「見たことがある」という意味になります。

 「オーロラを見る」は「see an aurora」、「今までに」は「ever」という副詞を使います。また、疑問文なので、助動詞の「have」を文頭に置きます。

 日本語文では明記していませんが、相手に尋ねる質問なので、この文の主語は「you」です。これらを組み合わせて一文にしますと、Have you ever seen an aurora? となります。

 次にBを見てみましょう。「一度もない」は「Never」という副詞(否定語)を用います。その後の「でも」は、逆説の接続詞「but」を使います。

 では、「見てみたい」を英語でどう言うか。「見る」は先に登場した「see」です。そして「~したい」は「want」という動詞を使います。

 ただ、wantとseeは共に動詞です。英語では、動詞の原形を2つ並べて使うことはできません。つまり、「want see」は不可、ということです。

 そこで、その2つの間に「to」を挟みます。「want to see」とすることで「見てみたい」(見たい)となります。

 この「to」は、文法用語では「不定詞」と言います。「不定詞」は、中学英語で習う文法項目です。

 そして、「see」は「~を見る」という意味の他動詞なので、後に「~を」に相当する目的語が必要です。ここでは、「an aurora」に相当する代名詞の「it」を置きます。

 「いつか」は「someday」という副詞を使います。これらを使って一文にすると、Never, but I want to see it someday. となります。以下に会話文をまとめます。

A: 今までにオーロラを見たことがありますか?(Have you ever seen an aurora?)

B: 一度もありません。でもいつか見てみたいです。(Never, but I want to see it someday.)

 この短い会話文の中に、「現在完了形」や「不定詞」といった、中学英語では必須の文法項目が登場しました。

 これらの文法項目を、こういった実践練習を通じて学んでいく。「中学英語のやり直し」をしながら、同時に「使える英語」を身に着けるやり方です。

 忘れてしまった英語を思い出したい。それでいて、英語を使えるようになりたい。そんな希望を持つ「50代に最適な英語学習法」だと思います。

 「オンライン英語教室のUB English」の「中学英語からのやり直し」という講座では、こうした「実践的な復習方法」を採り入れています。

 ご興味ある50代の方、まずはお気軽にお問合せ下さい。レッスン内容に関する詳しいご相談は、「無料個別カウンセリング」にて承っております。

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 同書には、先に挙げたような短い会話文を和文英訳する練習問題も収録しています。中学英語の復習にお役立て下さい。