学生の頃、英語は特に苦手だった訳ではなく、基本はできていた。ただ、英語から長く遠ざかっていたため、文法や単語を忘れてしまっている。
こういった方が、復習を兼ねて、中学英語を一通りおさらいするという場合、文法項目を一つ一つ丁寧に拾っていくのではなく、実践を通じて、学んでいく方が効率的です。
例えば、短い会話文を見て、その意味がきちんと取れるかどうかをチェックしたり、文の構造を理解できているかを確認したりするといいでしょう。
以下に、短い英語の会話文の例を挙げます。その意味を取り、文法項目をチェックしてみて下さい。
A: What do you want to do tonight?
B: I feel like seeing a movie.
どうでしょう。まず、パッと見、単語はそれ程、難しくはないのではないでしょうか。また、文も比較的短いので、文意を取りやすいはずです。
意味を確認しますと、Aは「今夜は何をしたい?」と相手に尋ねています。それに対してBは「映画を見たい気分だ」と答えています。
次に文法をチェックします。A、Bいずれも、動詞を2つ使っています。Aは「want」と「do」(*2つ目)。Bは「feel」と「see」です。
英文法の大原則として、一つの文の中に、動詞(本動詞)は一個しか置けません。Aの本動詞は「want」、Bの本動詞は「feel」です。
本動詞の後に、もう一つ動詞を置く時は、形を変える必要があります。実際、Aの文では「to do」、Bの文では「seeing」となっています。いずれも「原形」ではないですね。
では、これらを何と呼ぶか。「to do」は「不定詞」、「seeing」は「動名詞」と、文法用語では呼びます。
不定詞と動名詞。「あっ、そういえば、あったよなぁ。何か久しぶりに聞いたな、その言葉」と、懐かしく思われた方もおられるかと思います。
「ところで、不定詞と動名詞はどう使い分けるんだっけ?」と疑問に思われた方もいるかもしれません。
これは、前の語句によって決まります。Aの文では、「to do」の前に「want」があります。この「want」という動詞は、不定詞を目的語にとります。
また、Bの文では、「seeing」の前に「~のような」という意味の「like」(前置詞)があります。前置詞の後に動詞を置く時は、必ず動名詞にします。
こういった決まったルールを覚える必要があります。それにより、不定詞、動名詞の正しい使い分けができるようになります。
ところで、Bに出た「like」。『これって「好き」っていう意味の動詞じゃないの?』と疑問に思った方もおられるかもしれません。
良いご質問です。「like」は確かに「~を好む」という意味の動詞でもあります。しかし、ここでは、先にも述べたように、「~のような」という意味の前置詞です。
ですので、「前置詞のlike」の後に動詞を置く時は、必ず動名詞(Ving)になります。これは、他の前置詞(in, on, aboutなど)も同じです。
ちなみに、「動詞のlike」の後に動詞を置く時は、不定詞(to V)、動名詞(Ving)のどちらでもOKです。
例えば、「私は余暇にテニスをするのが好きです」を英語にすると、I like to play tennis in my free time. となります。
これをI like playing tennis in my free time. としてもOKです。前の例で出た「want」は不定詞のみを目的語に取る動詞ですが、likeは不定詞、動名詞両方OKの動詞です。
大人が中学英語のおさらいをする際、「不定詞とは何か?」、「動名詞とは?」などと、文法項目別に学んでいくのも一つの方法です。
しかし、冒頭でも述べたように、ある程度、基本を抑えた方であれば、むしろ実践を通じて、その都度、文法項目を復習し、思い出すというやり方の方が効率的だと思います。
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