TOEIC頻出語彙を抑えよう!  <「stay」の正しい使い方>


 TOEICによく出る動詞の一つに「stay」があります。新型コロナウイルスの感染拡大で、緊急事態宣言が出された後、「ステイホーム」(stay home)というフレーズをよく耳にしましたが、あの「ステイ」(=stay)です。

 例の「ステイホーム」の「ステイ」(stay)は、ご承知の通り「(家に)いる」という意味です。つまり、stayは「いる」、「滞在する」という意味を持つ動詞だということです。homeは「家に」という意味の副詞です。

 さて、このstay。TOEICでは、「いる」、「滞在する」という意味だけでなく、他の意味で使われることもよくあります。例えば、At Christmas the shops around here stay open late.「クリスマス時期は、この周辺のお店は遅くまで開いている」といった使い方です。

 この例文のstayは「~のままでいる」という「状態の継続」を表します。その直後のopenは「開いている」という状態を表す形容詞です。つまり、このopenはstayの補語の働きをしている、ということです。

 stayは基本、「自動詞」です。よって、stayの直後に目的語となる名詞を置くことはできません。むしろ、先の例文のように、補語となる形容詞を後に置いて使います。SVCの第2文型を取る動詞です。

 「~のままでいる」という意味では、remainと同義です。ですので、先の例文も、stayの代わりにremainを使うこともできます(At Christmas the shops around here remain open late.)。

 この「stay」の使い方を問う問題は、TOEICでは、特にPart5でよく出ます。先の例文なら、2通りの問題が考えられます。一つは、stayのところが空所になる問題です。そして、選択肢には、stayの他、keepやleaveなどが含まれます。

 stayが自動詞であるのに対し、keepやleaveは「OをCのままにする」という意味の他動詞です。よって、空所の直後に、その目的語となる名詞が必要です(例:leave the door open「ドアを開けたままにする」)。

 At Christmas the shops around here (     ) open late. という問題文。空所の直後にはopen(形容詞)があり、名詞がありません。つまり、目的語がないので、他動詞のkeepやleaveは不可、ということです。

 もう一つ考え得る問題は、openのところが空所になるタイプです。At Christmas the shops around here stay (     ) late. という問題文で、選択肢にはopenの派生語が並びます[(A) open   (B) opening   (C) openly   (D) openness]。

 空所には、stayの補語が必要なので、(B) opening「オープニング」(名詞)、(C) openly「公然と」(副詞)、(D) openness「開放」(名詞)は、いずれも不可です。よって、stayの補語になれる形容詞である(A) open「開いている」が正解です。

 stayの補語となるものは、形容詞の他、分詞もあります。例えば、「Stay tuned.」というフレーズは、ラジオ番組で、CM前によく聞かれるもので、「チャンネルはそのままで」という意味です。TOEICでは、特にPart4で、よく出る表現です。

 この「Stay tuned.」の「tuned」は、tuneの過去分詞形です。tuneは他動詞で、「(ラジオを放送局)に合わせる」という意味があります。聞いているラジオ番組は、チャンネルを合わせられている側なので「受け身」にします。よって、過去分詞形のtunedとなります。

 そして、「チャンネルを合わせられた状態のままにして下さい」という意味で、「Stay tuned.」と言います。この「tuned」は分詞で、stayの補語になっています。つまり、stayは、形容詞や分詞を補語にとる動詞だということです。

 冒頭でも述べたように、stayの第一義は「滞在する」です。例えば、I will stay in Seattle for three days next week.「私は来週、シアトルに3日間、滞在する予定です」という文。このstayは「滞在する」という意味ですが、やはり自動詞です。

 よって、直後に目的語を置くことはできないので、「stay Seattle」とはしません。間に「~に」という意味の前置詞「in」が必要(stay in Seattle)です。TOEIC・Part5の文法・語彙問題では、visit「~を訪れる」との違いを問われる可能性があります。

 例えば、I will (     ) in Seattle~. という問題で、選択肢にstayとvisitがあるとします。この場合、stayが正解、visitは不正解。ヒントは「in」です。visitは他動詞なので前置詞を置かず、I will visit Seattle next week.「私は来週、シアトルを訪れます」とします。

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