「most」と「almost」の違い


 生徒の書いた英文を添削していると、「most」と「almost」を混同しているのをよく見かけます。両方とも「ほとんど」という意味で使っているのだと思いますが、「most」と「almost」は使い方や意味が微妙に異なります。本項では、その違いを論じて参ります。

 そもそも、「most」と「almost」は、品詞が違います。「most」は形容詞(*名詞や副詞として使うこともある)であるのに対して、「almost」は副詞です。形容詞は名詞を修飾する品詞である一方、副詞は名詞以外を修飾する品詞です。

 例えば、「ほとんどの大学生がアルバイトをしている」を英語に直すと、Most university students have a part-time job. となります。日本語文の「ほとんどの」に当たるのが、英語のmostです。

 この「most」は形容詞で、直後の名詞(university students[大学生])を修飾しています。この文で、「most」の代わりに「almost」を使うことはできません。何故なら、先にも述べたように、「almost」は副詞だからです。副詞は名詞を修飾することはできません。

 では、「almost」はどのように使うのか。例えば、I have almost finished my homework.「私は宿題をほとんどし終えた」という文。ここで使われている「almost」は「ほとんど」という意味の副詞で、finish(動詞)を修飾しています。

 「most」と「almost」を区別する方法の一つが、日本語訳の違いです。先の例をご覧頂くと、「most」が「ほとんどの」であるのに対して、「almost」は「ほとんど」という訳になっています。ポイントは「の」の有無です。「の」が付くと形容詞で、後に名詞が続きます。

 先述の通り、副詞は名詞以外を修飾する品詞です。よって「almost」は動詞の他、副詞を修飾することもできます。例えば、I almost always get up before 7 a.m.(私はほとんどいつも午前7時前に起床します)。この「almost」は副詞always「いつも」を修飾しています。

 では、最後にクイズです。「ほとんどの日本人は」を英語では何と言うか。答えは、Most Japanese peopleです。日本語訳を見ると「ほとんどの」とあるので、形容詞の「most」を使います。このケースで「almost」を用いる生徒がよくいるので、注意が必要です。

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