「アカデミックライティング」で注意すべきこと


 アカデミックライティングで重要なのは、「客観的な視点で書くこと」だと言われます。従って、IやWeといった一人称代名詞の使用は極力避けるべきだと主張する人がいます。

 こうした教えを忠実に守って、一人称代名詞の使用を避けるために、無理に受動態を用いる人がいます。これについては、程度問題ではありますが、不自然にならない程度に抑えるべきだと考えます。

 例えば、「~が見られる」という時に、S can be seen.と、受動態を用いて言い表すことができます。この時、S(=主語)がやたらと長い英文を見かけることが、「英文ライティング添削」の授業を担当していると、しばしばあります。

 確かに、S can be seen.を用いることで、一人称代名詞の使用は避けることができます。しかし、そもそも英語は、頭でっかちな文を嫌う傾向にあります。つまり、大きな主語はあまり好まれないということです。

 ですので、S can be seen.のSが長くなる場合は、代わりにWeを主語にして、We can see O.とした方が、文の構造はすっきりするはずです。Weは確かに一人称代名詞ではあるものの、Iに比べると主観性は低く、一般論を述べる際に用いることもできます。

 特に、S can be seen.のSを、関係詞(which, who, thatなど)を用いて修飾する場合、やはりSが大きくなりすぎてしまいます。ですので、この場合も、Weを主語にして、SをOに回す方がいいでしょう。

 ライティングを指導する際、私はよく生徒に、パッセージを読む時に、使い勝手の良さそうな表現を盗むよう、アドバイスをします。アカデミックライティングのスキルを向上させたいなら、アカデミックな文献をたくさん読み、その中から英語表現を盗むのです。

 しかし、アカデミックペーパーの全てが、英語的に良質なものとは限りません。中には、文構造が複雑になり過ぎて、読みにくいものもあります。修飾句が長すぎて、SとVが離れすぎてしまっているような文などです。こういった読みにくい文に出くわした時は、それを反面教師にするといいでしょう。

 「オンライン英語教室のUB English」の「英文ライティング添削」では、文構造をできるだけシンプルにし、読みやすい英文を書くための指導を行っております。ご興味ある方、まずはお気軽にお問合せ下さい。