英語を英語で学ぶことの弊害


 文科省は、「中学・高校の英語の授業は、全て英語で行うことが望ましい」としています。また、一部の大学では、多くの留学生を集める目的で、「授業を全て英語で行う」としているところもあります。

 大学の授業を英語で行う。これは、専門科目を英語で学ぶということです。これを実現するには、まず教授陣に高い英語力が必要となります。加えて、学生にも高度な英語力が求められます。現状、日本の大半の大学では、その実現は難しいでしょう。

 一方、中学、高校での英語の授業については、「英語を英語で学ぶ」ということです。これについても、日本の中学、高校の英語教員のうち、それができる人が果たしてどれほどいるかと言うと、その数は決して多くはないはずです。

 実際、中学、高校の英語教員の英語力はと言うと、文科省が薦める英検準1級の取得率が、中学校教員で約3割、高校教員で約6割にとどまっています。こうした現状を見る限り、「中学、高校の英語の授業を全て英語で行う」というのは、現実的ではありません。

 仮に英語教員の英語力が向上したとしても、英語を英語だけで教えるには、相応の訓練が必要です。そのための「ティーチャートレーニング」が、大学等の日本の教育機関において充実しているのかと言えば、決してそんなことはありません。

 また、一切母語を介さず英語を英語だけで教えることについては、Guy CookなどSLA(第二言語習得)の専門家の多くが、批判的な見方をしています。批判の多くが「生徒が中身を十分理解できず、知識が定着しない恐れがある」というものです。

 日本では、多くの人が英語を外国語として学んでいます。そうである以上、母語である日本語との違いを意識しながら、英語を体系的に学んでいく必要があります。それには「理解」が必要です。

 「語彙」、「文法」、「発音」といった言語面をきちんと理解する。それには、日本語での説明が不可欠です。そこを無理に英語で説明しようすると、正しい理解が得られず、モヤモヤした部分が残る可能性が高い。これが「英語嫌い」を生む温床となり得ます。

 しっかりと基礎を固める。その間は「英語を英語で習う」のではなく、母語である日本語を介して学んだ方がいい。そして、十分に自信がついた段階で、ネイティブスピーカーとの英会話に臨む。これが「英語上達の王道プロセス」と言えます。

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