音読をすれば英語が話せるようになる?


 数年前、某予備校英語講師が音読の有効性を訴えたことから、音読がやたらと流行った時期がありました。中には、音読の効用を盲信する人もいて、「音読さえすれば、英語がペラペラに話せるようになる!」といった情報が流布したこともありました。

 そうした状況から、「音読すれば英語が話せるようになるのですか?」と、私に質問してくる生徒もいました。この問いに関する私の答えは、「(英語が話せるようになるには)音読だけでは不十分」というものです。本項では、音読の有効性を論じてみたいと思います。

 音読に限らず、これまで様々な英語学習メソッドが開発され、流行り廃りを繰り返してきました。ある意味では、ダイエットに似ています。では、何故、流行っては廃れるのか。

 それは、英語も、ダイエットも、「~だけ!」という「シングルメソッド」では、奏功しないからです。英語も、ダイエットも成功するのが難しい。それだけに、つい「~だけ!」というシンプルなメッセージに、多くの人が飛びついてしまうのです。

 でも、結局、効果が出ないので、長続きしません。故に、廃れてしまうのです。本項のテーマでもある「音読」も、最近は、以前ほど血道をあげて取り組んでいる人は、少なくなったように感じます。

 「音読さえやれば英語がペラペラに話せるようになる」。英語に苦労している人にとっては、何とも魅力的なメッセージです。「聞き流すだけで英語がペラペラに!」という、とある英語学習教材の宣言文句と似ていますね。

 単語も覚えなくてもいい。文法も学ばなくてもいい。リスニングも鍛えなくてもいい。ただ、英文を声に出して読んでさえいれば、いずれ英語が話せるようになる。もし、これが事実なら、こんな楽な話はありません。英語の授業は要らなくなり、英語講師は失業します。

 音読と言うと、声に出す行為なので、アウトプットだと思っている人が多いのですが、音読はインプットです。何故なら、自分で構築した文を発している訳ではないからです。ですので、話せるようになるには、音読だけでなく、アウトプットの練習も別途、必要です。

 音読の効用は、句ごと、又は文ごと、脳に収納することです。つまり、暗記の一種です。もちろん、語学習得において、暗記は重要ですが、それだけでは不十分です。「オンライン英語教室のUB English」では、音読を始め、「~だけ!」という「シングルメソッド」ではなく、「包括的な英語学習」をご提案致します。ご興味ある方、お気軽にお問合せ下さい。