「現在完了形」と「過去単純形」との違い


 「基本英文法」の授業を受け持っていると、「時制」を教える機会がよくあります。その際、多くの生徒が躓くのが「現在完了形」と「過去単純形」の違いについて、です。そこで、本項は、この二つの違いについて、論じてみたいと思います。

 まず、「現在完了形」(have+動詞の過去分詞形)には、大きく3つの用法があります。①継続用法、②経験用法、③完了用法の3つです。このうちの③完了用法と「過去単純形」との区別がつきにくいのです。

 「現在完了形」の完了用法とは、どういうものか。「~してしまった」という意味を持ち、「だから今はこういう状態だ」というものです。例えば、I have lost my wallet.「私は財布をなくした」という文。これは、暗に「今、財布が手元にない状態」を意味します。

 では、これを「過去単純形」で表すとどうなるか。I lost my wallet.という文。日本語に訳すと、やはり「私は財布をなくした」となり、先程挙げた「現在完了形」の文と同じ訳になります。

 つまり、日本語では、「現在完了形(特に完了用法)」と「過去単純形」との明確な区別がない、ということです。それだけに、日本人の英語学習者にとっては、この二つを区別するのが難しいのです。

 ただ、先に挙げた「過去単純形」の例文では、通常、過去の時を表す語句を文末に置きます。例えば、I lost my wallet yesterday.「私は昨日、財布をなくした」というように。これは、昨日の話をしているだけなので、現在、財布がどうなっているのかはわかりません。その後、財布が見つかって、今は手元にあるのかもしれないし、今もなお見つかっていないのかもしれない。「過去単純形」の文では、現在の状態を表すことはできません。

 ですので、「現在完了形」は、「現在の状態」に主眼が置かれるのに対して、「過去単純形」は、「過去の出来事」に主眼が置かれます。「現在完了形」と「過去単純形」の違いは、ここにあります。

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