「ケースバイケース」って和製英語なの?


 私共が運営する「オンライン英語教室のUB English」では、主に英会話の初心者を対象とした「基本英会話」を開講しております。本項では、その「基本英会話」のレッスンで、よく話題になる「ケースバイケース」という表現について、解説致します。

 例えば、私が「Do you often go out on weekends?」(週末はよく出かけるのですか?)などと尋ねた際、生徒が「Case-by-case」(ケースバイケースです)と答えることがあります。これは、「時と場合による」という意味で使っているのだと思います。

 この「時と場合による」という表現。確かに、日本語ではよく「ケースバイケース」というカタカナ語を用います。しかし、このカタカナ語の「ケースバイケース」と英語の「case-by-case」は、全く同じではありません。

 そもそも、英語の「case-by-case」は、3つの語を「-」(ハイフン)で結んでいることから、品詞は形容詞です。ですので、「case-by-case」の訳語は「ケースバイケースの」となります。よって、「case-by-case」を単独で用いることはあまりないということです。

 例えば「ケースバイケースで」という時には、「on a case-by-case basis」と言います。「on a ~ basis」というのは、「~ベースで」とか「~に基づいて」といった意味を持つフレーズで、日常会話でもよく使われますし、TOEICにもよく出ます。

 「ケースバイケース」に話を戻すと、先の会話の「時と場合による」という意味では、「Case-by-case」よりもむしろ「It depends.」とか「That all depends.」という表現の方が「英語らしい」と言えます。

 「It depends.」は、これ単独だと「時と場合による」という意味になります。また、この後に「on+名詞」を続けることもできます。例えば、It depends on the weather.「天気による」など。「It depend.」や「It depends on~.」は、英会話ではよく使う表現です。

 さて、表題の『「ケースバイケース」は和製英語なの?』という問いに対する答えは、「半分Yes、半分No」です。つまり、完全な和製英語(英語には存在しない)ではないものの、使い方が英語の「case-by-case」とは若干異なる、ということです。

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